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20110628_1.jpg朝6時20分起床。この時点で今日はブリーフィングには間に合わないなと悟る(笑)砂漠レースも4回目ともなると朝のやることやリズムが決まってくるので時間が読めてしまうのだ。かといってブリーフィングに間に合わなくても問題ないので急ぐでもなく。自分よりもっとベテランのユーさん美絵さんも明らかに間に合いそうもない。ブリーフィングが始まった時テントの中で3人が悠々と準備を進めていたのだった。今日はよく晴れて暑くなりそう。序盤は川沿いのコースで水に入ることが多くなりそう。CP1~2は登り、それ以降は緩い下りでCP3, 4, フィニッシュとなる45km。今日、明日はあまり力を入れず5日目のロングステージに備えたい。

20110628_2.jpgスタートはいつも最前列から飛び出す鈴木くんの後ろ。鈴木くんは毎日最前列左側からスタートする。スタート後自分は前に20人くらい見ながらゆっくり進む。CP1まではアップの感覚で。最初の数kmは川沿いで何度も川を渡った。今日は川に入るのがわかっているためゲーターはつけていない。川から離れると登り坂。早歩きでさっさと進む。CP1でシューズを脱いで砂を出している間に小野さんがCP1を通過。小野さんはCPの滞在時間がとても短い。CP1を出てしばらくすると小野さんを抜かす。ここは道の幅が車がすれ違えるくらいあった。昔のシルクロードらしいという話も聞いた。緩やかな登り坂が続き、しばらくすると鈴木くんも抜かした。

20110628_3.jpg登り切って少し下るとCP2。ここで固形ケーキを食べながら出発。下りだが脚を温存するためペースはゆっくり。CP2の前の登りで抜かした選手たちに次々と抜かされていく。しかしまだ道のりの半分も来ていないし下りで脚を使ってしまうと後半の平地でスピードに乗れないはず。平地でペースを上げる方が楽なのでここはぐっと我慢。少しすると「今日はゆっくり行きます」と言っていた小野さんにも抜かされてしまう。調子がよさそうでどんどん前に追いついていった。


自分はCP3以降で平地になったらペースを上げれば10人は抜かせるはずと考えていたのでマイペースで。視界が開けているところでも小野さんの姿は完全に見えなくなってしまった。CP3で22位。残りの距離を確認しベスパハイパーを飲んでトイレも済ませてとやっているうちにさらに2人が先へ行く。しかしこれでロングスパートの準備は整った。ペースを上げてどんどん前の選手を抜かしていく。km5分くらいでは走れているはず。次々と前の選手が見えて来て見えると差もどんどん縮まっていく。それでも小野さんはまったく見えてこない。小野さんもかなり順位を上げているようだ。

20110628_4.jpgCP4が近づいてようやく小野さんらしきランナーが見えてきた。CP4で小野さんに追いつく。この区間はCP3でたっぷり水を飲んだことペースが速かったことからほとんど水を消費してなかったためCPでの水の補給はなし。素通りして通過チェックされなかったりしたら嫌なので一瞬足を止めてスタッフに自分のナンバーだけはっきり伝えてから通過。小野さんのさらに前方に3人のランナーが見えそこまでは抜かせそう。


走りやすい道はCP3から変わらずで気持ち良く走れる。CP4からゴールまでは7km程度で「すぐ」だと思っていたら後半はアップダウンのコースに変わりなかなかゴールが見えてこない。このまま押しきれずバテて抜かし返されたら嫌だなーと思いながら進む。7km以上あるんじゃないの?と思い始めたころ、どこからともなくかすかな太鼓の音が聞こえてくる。

20110628_5.jpg前方には集落が見えそこがゴールだと確信するも肝心のゴールゲートが見えない。しかし太鼓の音はすぐそこ。ゴールゲートがコース上から死角になっていただけで集落の入口がゴールだった。今日の順位は10位。序盤スローペースで後半予定通り10人以上を抜き去りつじつまを合わせた。「今回は攻めてよし守ってよし自由自在だな」と自己満足に浸る(笑)ゴールして少しその場でのんびりしていると韓国の方に「はじめまして」と話しかけられました。今回は開催地が中国ということもあって韓国から運営スタッフに来ている方も多かったのでスタッフだと思って軽くあいさつだけして済ませてしまったのですが、どうやらホン選手(HONG, Soon Ki)だったようです。
→かなり後日に気が付きましたが総合5位になった素晴らしいランナーでした。最終日だけ少し一緒に走りました。

今日は民家に宿泊。本来の住人が自宅を開放して選手を泊めてくれ自分たちは別の部屋で過ごすという感じのようだ。テントNo.12の選手に割り当てられた部屋に入り横になってアイシング。しばらくゆっくり体を休める。今日もテントNo.12のトップはジミー。今日は集落の脇に川が流れているので水は豊富に使えそうと思ったら川は住人の飲料水だから洗濯はしてはだめ、足を川に浸すのはいいが足首くらいまで、との注意があった。ここで洗濯ができないのは正直痛い。できれば頭を洗ったりもしたい。そこで少し考え川からペットボトルで水を汲み川から離れて土の上で洗濯をすれば良いのではないか?と考えた。

20110628_6.jpgしばらくしてゴールしてきた長谷川さんと一緒に川へアイシングと洗濯をしに出かけることに。長谷川さんは今日はゴールの少し手前で鈴木くんに追いつき抜かしてきたらしい。鈴木くんに「そろそろ来る頃だと思ってました」と言われたとのこと。前日は長谷川さんに最後抜かされずに耐えた鈴木くん今日は抜かされても後ろにつく元気がなかったようです。この2人の微妙なライバル関係おもしろい(笑)

川に行く途中で鈴木くんも合流し3人で川に行く。川の水はキンキンに冷えていて気持ちがいい。自分はなんとか気持ちがいいと水に足を浸していられたが長谷川さんは「こんな冷たい中に足を入れてられない」と言っている。砂漠の真ん中を流れる川の水がこれほど冷たいことも驚き。今日も気温は40℃ほどまで上がっている。洗濯もペットボトルで川から離れたところに水を運ぶことで問題なくおこなうことができ民家の入口に張られたロープに洗濯物を干す。

20110628_7.jpg長谷川さん、美絵さん、成宮さんがトイレの件で相談していた。宿舎の向かいのニワトリ小屋の奥がトイレになっているようだがニワトリ達と並んでしゃがみこんで用を足すレベルのトイレになっているようで、最中に誰か入ってきたら丸見えになってしまうという中国式トイレのようである。相談の結果1人がニワトリ小屋の入口に見張りとして立ち順番にトイレすることにしたようだ。後からトイレに行ってみたら男の立場からすればまあそれほど恐れることもないかなというレベルであった。


サイバーテントに選手宛てのメールを確認しに行くとたくさんのメールが来ていた。今回はたくさんの人に見守られているようでとても心強い。その中に気になるメールを1つ発見。メールはエクセルファイルに全選手分のメッセージが貼り付けられていて、その中から自分の名前を検索してメッセージを読むのだが名前を検索したら美絵さん宛てのメールがヒット。美絵さんの旦那さんからで「kabasawaさんどうした?」と書かれている!「俺!?どうかしたのか?」とすごく気になるが今のところどうもしてないしよくわかりません(笑)

明日は朝早くバスに乗り約3時間の移動。トルファン近郊に移動してレースの続きがおこなわれる。朝は3時からお湯をもらえるので暖かい食事をしたい場合は3時起床。4時にバスが出発する。荷物をまとめ明日の朝食だけすぐに取れるようにして早めに就寝。

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20110627_1.jpg目が覚めるととても寒い。外を見るとなんと霧で真っ白。テントの外に出るとウェアが濡れてくる。こんな状況でレースできるのか?と思いつつもアナウンスがあるまではどうなるかわからないので準備をする。外は寒くテント内は暖かいのでカップラーメンにお湯をもらってからテントに持ちかえって食べる。しばらくしてスタート時間を30分遅らせるとアナウンスがある。30分程度で状況がよくなるのかなと思う。

ユーさんは「delay !」と言いながら食事をしている。それから少ししてさらにスタート時間遅れの連絡がありスタート時間は「9時」、そしてさらに「12時」と連絡があったときには拍手喝采!(笑)昨日とはまったく異なる寒さにみんなやる気が削がれている感じ。ユーさんは大喜びで「食べる!食べる!」とテントのみんなにお菓子をふるまっている。長谷川さんは昨日のダメージを回復させるため自分で自分に針を打っている。筋肉の固まったところに針を打つと痛くはなく”むずむず”する感じがして筋肉がほぐれるのだそうだ。アタカマでユーセフがワンダさんに針を打って絶叫させてたけどやっぱりあれは間違いだったんだ(笑)

20110627_2.jpg時間が経つにつれ晴れてくるどころか気温が下がってきた。10時ごろから雨。テント内の気温は17℃だが外の気温は10℃まで下がった。美絵さんが「こんな寒いより50℃あったほうがいい」と言っている。ユーさんは「今日はキャンセル!」とか言っている。レーシング・ザ・プラネットのレースを熟知しているユーさんが「キャンセル」というと本当にキャンセル(今日はお休み)になってしまいそうだったが(スタートの遅れは見事に予言していたし)やっぱり少しは走りたいかな。テントの中でまったり過ごすのも魅力的に思えたが・・・。

11時半からブリーフィング。寒いのでみんな砂漠レースとは思えないような服装で集合。今夜もどうやら雨になりそうだという話がありみんなに「じろっ」と見られる(笑)雨男じゃないって言ってるのに!(美絵さんは雨女らしいが)自分はジャケットを着てスタートしようと思っていたが、今日はコース短縮で19km程度しかないとのことなので高速レースを予想しジャケットは脱いでザックにしまう。半袖短パンで手袋だけしてスタートラインへ。最前列に鈴木くんがいたので隣へ。今日は10位くらいを目安に走ってみようと思う。スタートと同時に飛び出していく鈴木くん。自分は少し後ろから人数を数えながらじわじわと前へ。途中で鈴木くんも抜かす。

CP1まではオフロードと舗装路半分くらいずつ。走りやすいのでかなりの高速展開。ジャケットを脱いでおいてよかった。CP1は民家がある小さな集落。涼しいので水はほとんど飲んでないのでCPでの補給はなし、12位で通過する。その後オフロードに入り前の選手に追いつくが、話しかけてくるは、並走しようとしてライン取りをつぶしてくるは、ろくなことをしないのでペースを上げて引き離す(本人はフレンドリーなつもりだろうと思うのでごめんなさい)。

20110627_3.jpg遠くのほうに上位の選手が見えるが9位までは届きそうに思えるものの、その上はちょっと走力が違うかなという感じ。今日は下り基調なので気持ちよく走れる。小雨が降っていて涼しいのも暑さに弱い自分にはありがたい。岩山が両側にそびえたつ渓谷の道を気持ちよく走っていく。CP2に到着する前に、なぜかゴールを発見(笑)渓谷の川を挟んだ反対側の垂直の崖の上にキャンプ地が見える。そうとう遠回りして川を渡り崖を登ってたどり着くのだろう。こういうコース設定がまさにレーシング・ザ・プラネットって感じだ。少ししてCP2に到着。


20110627_4.jpg水だけ少し補給して出発。すぐ前に9位、10位の選手が走っているがタイム差もほとんどないしがんばって抜かす必要もないので100mくらい離れてついて行く。川を渡るポイントで前の2人がもたついているところを躊躇せず川に入り一気に渡って追いつく。水の深さは膝くらい。川から上がるとゲーターが水を吸って思った以上に重たくなってしまった。川の反対側の崖の上に上がる登り坂で再び2人に離されゴールまでその差のまま11位でゴールした。小野さんがすぐに来ると思ったので、そのままゴールで待つ。10分ほどして小野さんもゴール。テントに引き上げると昨日高山病で苦しんでいたジミーがすでに帰ってきていた。今日は3位でゴールしたらしい。ジミーすごいんじゃん!ジミーがなにやら話しかけてくるが、聞き取れず「???」となっているとテントの床に敷いてあるシートをめくって石をどかしはじめた。そうか、みんなが来る前にシートの下にある石をどけて寝転がったときに少しでも快適になるようにするんだ。2人でシートをめくり足で小石をどけて地面をならした。しばらくすると雨が本降りになった。ゴールした長谷川さんと話をしていたら「昨夜うなされていたけど嫌な夢でも見た?」と聞かれた。気持ち良く朝まで爆睡したつもりなのにおかしいな(笑)

20110627_5.jpg夕方になって雨が上がり日が差してきた。夕方といってもここでは夜22時くらいまで日が当たっているので、まだほとんど昼間。雨で濡れた衣服を乾かしに選手達はテントから出てきている。焚き火でシューズを乾かす選手も。焚き火の場所はまるでシューズのバーベキュー。その中に小野さんの姿もあった。今回の日本人選手は、それぞれのテントですごしている時間が長く、別のテントの日本人と話をする機会があまりないので声をかけて一緒にご飯を食べることにした。もう食べ終わった人もいたがお付き合いしてもらう。今日はとっておきのサンマの缶詰。「そんなもの持ってきているんですか?」と羨ましがる声を聞きながら食べるのがいいのだ(笑)動物性たんぱく質は貴重。

今日は鈴木くんと長谷川さんが途中から一緒だったようだが、鈴木くんはテントに帰ってくるなり「女性には負けられませんから」と言っていたらしい(笑)また成宮さんはレースがはじまる前にゼッケンをなくしてしまっていて大会運営側であまったゼッケンを着けてレースをしている。そのためチェックポイントごとにスタッフに「私の本当のナンバーは・・・」と説明しなければならず大変らしい(笑)人それぞれのレースのエピソードを聞くのは楽しいものだ。

美絵さんは今回はレースしながらチャリティ活動もしていて、海外の選手に日本の地震被災地宛てにホワイトボードにメッセージを書いてもらって、それを持って動画インタビュー、写真撮影をしている。今日はレースの距離も短く時間・体力に余裕があったので、たくさんの海外選手にメッセージをもらっていた。ときどき意図がうまく伝わらなくて被災地宛てのメッセージではなく「俺、レースがんばるぜ!」みたいなメッセージになったりすることに悩んでいた。

キャンプ地のある崖のふちまで行くと素晴らしい景色。こんな場所にいられること自体が幸せ。「これだから、このレースにはまっちゃうんだよなー」としみじみ思う。天気もすっかり回復し明日は素敵な灼熱地獄&山岳ステージになると思う。今日の雨で湿っている衣服が多くなってしまったので明日は早めにゴールして洗濯しようと思う。

20110626_1.jpg6時起床。すでに明るくなっていたので行動しやすい。寒くもないのでアタカマのときのようにシュラフの中でもたもたすることもなく早く準備できた。今回はアタカマのときのように毎度おなじみのメンバーとは違うので4回目の砂漠にふさわしいお手本になるように行動しなければ(笑)7時半からブリーフィング。テントから出てブリーフィングを眺めながら日焼け止めを塗る。キャンプ地からスタート地点までは少し離れていて5分ほど歩いて移動する。スタート地点で小野さんとマレーシアのタンさんと写真を撮る。パオロを見つけたので声をかける。今回のファーストコンタクトなので覚えていてくれたかな?と若干不安だったがしっかり覚えていてくれた。

8時にレーススタート。とりあえずパオロの後ろにつく。パオロは優勝候補なので最後までついて行くことはできないがエジプトのときはスロースターターだったので中間地点であるCP2くらいまで、いいペースで運んでもらえればと考えた。しかしなぜか体が重く苦しくて吐き気がする。またユーさんにピックアップ(介護)されるパターンかと早くもピンチ。ペースを十分に落とし水を多く飲みながら進む。

20110626_2.jpg少しすると鈴木くんが「先行きまーす」と追い抜いて行く。続いて小野さんが追いついてきて「ペースメーカーにします」と一緒に走り始める。CP1は35位。CP1を出て緩い登り坂を歩いていると小野さんは先に行ってしまった。なんとか小野さんが見えるくらいの位置でゆっくり走っていると歩いている鈴木くんに追いついた。「ステージ1はタイム差そんなにつかないから落ち着いてゆっくり行こう」と声をかけて抜かす。これは自分に言い聞かせる言葉でもある。スタート直後いきなりのブレーキだがとにかく完走だけはしなければいけない。

調子が上がってきたので小野さんを抜かす。小野さんは登りがきつくなってきたところでストックを出し少しペースダウン。CP2は28位。調子も気持ちも上がってきたので順位のことも少しは気にすることができるようになり「この調子なら20位以内くらいまで戻せるかも」と思う。

20110626_3.jpg
CP2を過ぎると山岳地帯へ。アップダウンが繰り返される。荒々しく削り取られた岩山の景色が素晴らしい。CP3を20位で通過。いい感じ。CP3を出て少しすると立ち止って吐いている選手がいた。「Are you ok?」と声をかけてみるも「Not ok」と弱弱しい感じ。水と塩タブレットを勧めてみるが自分で十分に持っているようだし、ほんとうにだめそうならCP3にすぐに戻れるので先に進むことにした。

ひたすらウェーブのようにアップダウンが繰り返される。1つの登り下りは大したことないのだが「ここを越えたらCPが見えてほしい」と思い始めてから、いくら進んでも同じ登り下りが繰り返されるのは精神的にも厳しい。体もきつくだんだん本気モードへ。劇下りのところで足を滑らせ手をついたら地面にはトゲトゲの植物が!手にトゲが刺さってしまった。斜面に生えている植物はトゲトゲだらけだったので崖のようなところなのに手を地面につくことができず、そろそろと降りる。

20110626_4.jpg一度は女子のトップに追いついたが細いトレイルの登りでついて行けなかった。ここでは歩き勝負になったのだが、アタカマで身に付けた早い歩きが通用せず。向こうも歩きが強いのか、それとも自分がパワーダウンしてきているのか。長い長い登りを登り切ってようやくゴールが見えた。ゴールまでの下りと平地でがんばれば女子のトップともう一人を抜かせそうに感じていたがタイム差が小さければ順位など現時点では気にする必要がないので、マイペースで進む。今回は1日目を抑えて、いつも調子が落ちる2日目を無難に乗り切ることが大事。

20110626_5.jpgゴールすると14位で思ったよりもいいポジションにつけれた。1桁順位となる9位との差は20分。明日以降これ以上広げられなければ狙っていけるかもしれない。今日はタイミングチップのチェックがないと言われ、パスポートにもタイムの記載がされなかった。ちょっとおかしいと感じたがゴール時にスタッフが手書きのリストを作成していたのでゴールした証拠は残っている。小野さんも10分後くらいにゴール。あとから小野さんにタイミングチップのチェックがどうだったか聞いてみるとゴール時はしなかったが後からチェックしに行ったので念のためチェックしてもらったほうがいいと言うのでチップを持って行ってチェックしてもらう。

20110626_6.jpgしばらく休んでから小野さん達のNo.7テントを見に行くと鈴木くんがゴールしてつらそうに横になっていた。自分のNo.12テントは自分が一番で次の男性ランナー集団は1時間くらい後。長谷川さんが15時ごろ。美絵さんが16時半ごろ。美絵さんが帰って来た時にはいつの間にかNo.13テントの成宮さんも帰ってきていた。成宮さんはけっこうやばそうなことを言っていて、見た目もやばそうだったが、ゴールした後の様子を見ると大丈夫そうだ。いくらハチミツ取りのおばちゃんのコスプレをしていても(ご本人はいたって真面目である)サハラマラソンは完走しているんだしきっと大丈夫。相変わらず「日本に帰りたい、リタイアする」と言い続けていますが・・・。(これは後々リタイアするする詐欺と呼ばれることになる)そして韓国の(日本語できる)キムさんも「砂漠なんかもう来ない」とか言っています。キムさんはヒマラヤ通いしている屈強な山屋です(笑)。

20110626_7.jpg同じテントのジミーはトップクラスの力を持っているようだが今日は高山病で撃沈。具合悪そうに寝ています。標高2000m程度なので高山病の出る可能性は低いが、ジミーの住んでいるデンマークは最高標高が173メートルしかないそうだ。でもそういえばアタカマで優勝したアンダースはデンマークなのに標高3000mを平気で走っていましたが・・・。



20110626_8.jpgユーさんによると今日の最高気温は14時で41℃。ゴビは50℃オーバーという話も聞いているので41℃だとあまり暑くない?と思ったが湿度もあるし温度だけではなんとも言えないかもしれない。19時くらいから風が強くなってきた。ユーさんは食べ物を持ってきすぎたらしく重さを減らすために「食べる!食べる!」と言ってテントのみんなにお菓子をふるまっている。トータル3万キロカロリー持って来たらしい。ユーさんはこの手のレースは18回目で韓国の事務局も務めているくらいなのでミスではなく、遅れた競技者のサポートをするためにたくさんの荷物を持ってきているのだがさすがに持ってきすぎたらしい。今回のコースは今までに使ったことのあるコースではなくアップダウンは今までに比べてきつかったとのこと。

21時には寝る体勢。外はまだ夕焼けにもなってなく、ぐっすり寝れるとは思えなかったが、朝までぐっすり。

20110701_1.jpg朝5時半ごろ目を覚ます。ロングステージ2日目はすでにゴールしている者にとっては休息の時間なのにいつもより早く目が覚めてしまった。テントのメンバーは美絵さんとユーさん以外みんな帰ってきている感じ。テントの外に出てみるとNo.13テントの成宮さんも帰ってきたところだった。CP5で一晩過ごすかもと言っていた小野さんも元気に帰ってきていた。夜中1時くらいに到着したらしい。のんびりしているうちに美絵さんも到着。これで日本人全員ロングステージクリアで目標?の全員完走も確実になった。ユーさんは美絵さんとCP7くらいまでは一緒だったらしいが「眠くなった」とか言ってゴール目前にしてCPでなくコース上で寝ているらしい(笑)

最終日を前に総合順位を確認しておこうとサイバーテントへ。するとなんと1日目の自分のタイムが間違えている!ステージ1はゴールしたときになぜかチップのチェックもパスポートへの記載も「ない」と言われて、ゴール後かなり経ってからチップのチェックが始まったのだが、どうやら自分のタイムはチップをチェックした時間になってしまっているらしい。同じ扱いになっていた小野さんのタイムは本当にゴールした時間になっているため基本的にはゴール時にスタッフが手書きで記録したタイムが使われているようだが・・・。自分の単語と身振り手振りのコミュニケーションではこの状況をスタッフに説明できないので、そのときの状況を知っている小野さんに言ってもらうことにした。しかしサマンサが見当たらなかったので、見つけたら・・・ということで。

20110701_2.jpgさらに少しするとキャンプ地近くの山の影になっていた太陽が顔を出しキャンプ地がじりじりと焼かれ始める。気温は朝8時ですでに40℃近いか?しばらくしてユーさんが帰ってきた。コース上で寝ていたものの太陽が登ったとたんに焼かれて寝ているどころではなくなったらしい。長谷川さんが目覚めたのでロングステージのレース展開について話をする。長谷川さんは午前3時ごろゴールしたとのこと。とにかく暑かったネタしかでないわけだが・・・あまりの暑さにガリガリくんの歌を歌いながら歩いていたらしい。クールな印象とのギャップが面白すぎる(笑)

そうこうしているうちにキャンプ地は灼熱地獄と化し始めていた。韓国のキムさんによると昨日キャンプ地の地面の温度は53℃だったとのこと。キムさんはリタイアしていてロングステージの間はスタッフと一緒にキャンプ地の設営をしていたらしい。つまりテントに横になっていると50℃オーバーの熱に焼かれることになるのだ。今日の食事はいつも通りカップラーメンを用意していたが固形物を食べる気にならない。幸いここまで、おしるこ、コーンスープといった飲むだけのものが予定よりも多めに残っていたので助かった。午後の危険な気温になる前にお土産の砂を取りに出かけた。キャンプ地近くの風紋のある砂地で採取。砂に貝のかけらのような白いものがたくさん混ざっている砂だ。

小野さんがメディカルにマメを見てもらいに行ったら腫れている部分が感染症になっていて足指の先から入った菌が足の甲を通りだんだん上に上がってきているらしい(腫れが上がってきている)。膝まで来ると終了?らしく小野さんは「ここまで来たらやばいってラインに線を書く」と言って油性マジックを探していた。(怖すぎ・・・)とりあえずメディカルの医師に抗生物質をもらって一安心なようではあるが。

20110701_3.jpgいよいよ12時を過ぎて本格的にヤバい時間帯へ・・・。テント内の気温は45℃に。横になっていると背中を焼かれるので座って待機。テント内メンバーはぐだーっと横になっている。美絵さんが100mほど離れているトイレに出かける。痛めた足でストックを1本突きよぼよぼと直射日光の下に出て行った。その姿はまさにおばあさん(笑)暑さも手伝ってゆっくりとしか動けないようだ。熱さに焼かれる命がけのトイレだったようです。長谷川さんはタオルを顔に乗せて横になり「ガリガリく~ん」とか言っている(笑)アレックスはテントの天井からつるしたロングスリーブに足を引っ掛けていたら脱出できなくなってしまい助けを求めている(笑)テントの中は暑さで壊れた人だらけ。午前中は話にも花が咲いていたが話をする者はいない。きっと砂漠で遭難するとこんな風に人が弱っていくんだろう。

テントの中で水を少しずつ体につけながら「ボー」っとしていた。レースの記録を書くなどやりたいことはあるのだが何もやる気が起きない。日本語が少しできるアレックスがときどき「ダイジョウブ?」と言っている。美絵さんは「レースに来てこんなに帰りたいと思ったの初めてだよー」と言っている。砂漠6回目にして初めて思うってよほどなんだなと思い「今回が今まで経験した中で一番暑いですか?」と聞いたら暑さという意味では2番目らしい。テントにいても体力が奪われるだけなので思い切って外へ出る。キャンプ地中央には屋根が作られ選手の休憩場所になっていた。外にいたほうがわずかでも風が吹けば風に当たれるからいいかもしれない。休憩場所に行くと小野さんと栗原くん他にもたくさんの選手達。近くで現地スタッフがお湯を作る係をしているのだがそこから水をもらっていた。ここにいればテントにいるよりも水をたくさん使えそう。ここでも選手達はだらーっと横になり水のペットボトルが散乱している。宴会のあと酔いつぶれた人達が倒れているようにも見える。

20110701_4.jpgしばらくしてからテントに帰る。しかしテント内は相変わらず45℃近い身の危険を感じる気温。横になって体を楽にしつつ少しでも余分に風に当たりたいのでテントの入口に近い砂の上にザックを敷いて寝ることにした。ザックで地面からの熱を防ぎつつテントが作る影に入り、かつテントの外にいる場所。朝からおしることコーンスープで過ごしているのでハンガーノック気味になってきたが固形物を食べる気にならない。夕方になりサマンサが明日の最終日の説明をしにテントにまわってきた。それを見たのかNo.7テントの小野さんがこちらにやってくる。1日目のタイムがおかしい件について説明してくれるようだ。サマンサの本来の用件が終わった後、小野さんが「1日目のタイムが間違えていて実際は2時間ほど早くゴールしていること」を説明してくれた。サマンサは快くタイムを修正することを了承してくれ、小野さんは「これで彼も今夜は良く寝れるw」と伝えて任務完了。20時くらいになりやっと気温も40℃を下回るように・・・なんとか生き残ったとテントのメンバーは胸をなでおろす。自分もようやく固形物を食べる気になりカップラーメンを食べる。

珍しく?ユーさんが真剣な面持ちで話しかけてくる。「上を目指すなら装備を変えるべき」と。ユーさんは食事もザックもそれではだめだと言い、ザックは20~25リットルに、メーカーはRaidLightかSalomonに、食事はパウダーを水で溶かしてエネルギーを摂るものに変えるようにと言う。もちろんそういう世界があることは知っている上で「自分の目標はなるべく安全に完走することだからあえて登山スタイルである」ことをユーさんに伝える。しかしユーさんは「総合順位で小野さんに負けていて悔しくないのか?」と(ユーさんは成績が誤っていることをこの時点では知らない)。本当に他の日本人選手に負けたとしても自分の力が出せていれば悔しくはないと思うが黙ってしまう。ユーさんは「これはマラソンじゃない。まずはギアをきちんとしなければだめ」と言った。

20110701_5.jpgそれからしばらくユーさんの言ったことを考えた。このレースは本当にシビアにタイムを削って順位を競っているのは一握りの選手。しかし1桁順位や入賞をしようと思えば、それなりにストイックな部分も求められる。もっとも誤解のないように付け加えるならどんな目的でどんな力加減で行こうと砂漠レースは楽ではないし確実な安全なんて絶対にあり得ない。韓国事務局でもあるユーさんが他国の選手に上を目指せとアドバイスしてくれている。ほんとうにありがたく嬉しいことだ。これは、砂漠レースも4度目をこなし、そろそろただ参加するだけではない次のステップを目指すタイミングなのかもしれない。予定通りに行けば次は南極。南極は船に装備を置いて空身で走るから装備は関係ないけれど、その先の目標にまた耐久レースがあるならば今度は「レース」という部分にこだわるべきなのかなと少し感じた。
6/23(木)朝に中国へ出発します。帰国は7/3(日)の夜です。
レースは6/26(日)にスタートします。時差は日本と1時間しか変わらないので毎晩その日のレース結果を見ることができると思います。7/2(土)がゴールです。

レーシング・ザ・プラネット ゴビ・マーチのHP
http://www.4deserts.com/gobimarch/

毎日の結果はこちら
http://www.4deserts.com/gobimarch/rtpgmtp.php?SID=2&SBID=RESULTS

選手へのメッセージ送信はこちら(日本語不可)
http://www.4deserts.com/gobimarch/rtpgmtp.php?SID=3&SBID=RC14

私の装備表などはこちら
http://www.adventure-runner.com/desert/gobi/doc/gobi_equipment_2011.pdf

★レーシング・ザ・プラネットから大会直前情報
【重要】中国砂漠レース・ゴビマーチ参加者へ。予定していたコースの一部が水害のため、コース変更あり。10kmの砂丘コース含め、総距離は250kmよりも長くなります。コース変更連絡は現地で随時更新されますので、コースブリーフィング、情報確認、お忘れなく。特に、朝は重要。

アタカマ・クロッシングから3か月。忙しい日々の中でゴビ・マーチへのモチベーションはいまいち上がらず・・・というか考えている時間もなかったが、いよいよ残り1週間になった。きちんとゴビ砂漠のレースについて考えて向き合っていなかったので、今は漠然とした不安が大きい。しかし現地に入りスタートラインにつけば問題なく走れるだろうとは思う。

今回で砂漠レースは4戦目になるが、このレースが自分にもたらした変化がようやくわかってきた。普段の生活の中では、さまざまな場面で「他人と比べてどうか?」と価値観に支配されている。自分が他人と比べて劣っている部分に直面すれば落ち込み、優れている部分を見つければささやかな優越感を感じ、常に一喜一憂していると思う。しかし砂漠レースに出るようになって、そういった「他人と比べて」から少しずつ解放されているように感じる。砂漠では生きていること自体が特別なことだからかもしれない。あるいはアタカマ報告会でMayが言っていたように「砂漠では誰もが単純に1人の人間になる」からかもしれない。そういった体験を繰り返して精神的にフリーになり楽に生きられるようになったのだと思う。

さて今度のゴビ・マーチでは今まで以上に楽しみなことも出てきた。2009年のエジプトで自分がまっすぐ歩くことさえままならなくなっていたときに足を止めて治療をしてくれた韓国のユウさんがテントメイトなのだ。前回は弱っている姿を見せてしまったから今回は快走して共に楽しめたらいいなと思う。そしてもう一人やはり2009年のエジプトで心に残った選手イタリアのパオロも今回のゴビ・マーチで再会できそうだ。パオロはエジプト1日目の終盤2人で並走して一緒にコースロストした仲(笑)2日目に自分がリタイアしたときはとても残念がってくれていて、3日目以降レース中やキャンプ地で「My Friend」と声をかけてくれていた人。パオロはロングステージで大逆転して優勝した。レース後のパーティでは「See you again」と言って別れたのだが、まさか本当に再会することになるとは!残念なのはあのときのパオロとの実力差をまったく埋めれていないこと。今回も日々の序盤は並走しても後半は突き放されるんだろうなー。もっと練習しておけばよかったと思っても後悔先に立たずだ。でも今回はレース後のパーティで「今回はちゃんと完走したよ」と言いたいな。

そして今回のレースは南極ステージの出場権を得るための大事なレース。これを完走すればエントリーする権利が与えられる。自分はエジプトをリタイアしているため他の砂漠同期と比べて一歩出遅れている。ここまで共に砂漠を戦ってきたメンバーはすでに出場権を手に入れ2012年の南極ステージにエントリーする予定。自分にとってはこれが最後のチャンス。なんとしても仲間達と一緒に南極ステージに立ちたい。

いくら砂漠レースは楽しいとは言っても、間違いなく楽ではなく苦しむことになるし怖さもあるけど、ゴビ・マーチではどんな経験が得られ、どんなドラマがあるのか本当に楽しみ。エジプトの思い出のユウさんとパオロの参戦によりエジプトのリベンジという想いが強くなった。残った時間しっかり準備してベストを尽くそう。

ゴビ・マーチに行く航空券の決済をしました。

2011/06/23 東京(成田)/ 北京 AIR CHINA(中国国際航空)CA422 9:00 - 11:55
2011/06/23 北京 / ウルムチ AIR CHINA(中国国際航空)CA1291 16:05 - 20:15

2011/07/03 ウルムチ / 北京 AIR CHINA(中国国際航空)CA1296 10:10 - 13:35
2011/07/03 北京 / 東京(成田)AIR CHINA(中国国際航空)CA421 16:40 - 21:00

チケット代(その他いろいろ含む)111,850円
6月にゴビマーチに行く航空券を検索しています。上海or北京or西安経由がありますが、ほぼすべてのプランで経由地に深夜に到着し朝出発です。夜をどう過ごすかが問題になります。上海の空港は便により上海浦東国際空港か上海虹橋国際空港に着きますが、こちらの空港は最終便が到着すると空港を閉めてしまうようです。空港で夜を明かすのは難しそうです。北京は24時間空港のようですが。北京経由で夜を明かさず1日で行ける航空券も見つけましたが乗り継ぎが1時間半しかない。悩む~。
ゴビ・マーチ2011にエントリーしました。今回は日本事務局を介さずに英語でオンラインエントリーしてみます。いざとなったら日本事務局に助けを求めますけど(笑)しかし、まだアタカマに行っていないのに・・・。
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HN:
かばっち
HP:
性別:
男性
職業:
system engineer
自己紹介:
なぜか砂漠にひかれサハラ・アタカマ・ゴビ・南極でおこなわれたレースに出場。これからも世界の絶景を見に行きたい。
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