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mieさんがゴビ・マーチで出場選手にインタビューして作成した日本の震災被災地に向けたメッセージです。素晴らしい映像になっていますのでぜひご覧になってください。



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ゴビ・マーチ2011のレポートをまとめました。あとからブログではなくHPコンテンツ化する予定です。ブログ版はとりあえずです。素晴らしい経験を共有し、新しい挑戦者が生まれることを願っています。

★6/22(水)ゴビ・マーチ出発前夜
http://adventure1973.blog.shinobi.jp/Entry/193/

★6/23(木)ウルムチへ
http://adventure1973.blog.shinobi.jp/Entry/194/

★6/24(金)ウルムチ観光
http://adventure1973.blog.shinobi.jp/Entry/195/

★6/25(土)ブリーフィング・装備チェック
http://adventure1973.blog.shinobi.jp/Entry/197/

★6/26(日)ステージ1 Tian Shan Mountains 34.6km
http://adventure1973.blog.shinobi.jp/Entry/190/

★6/27(月)ステージ2 In The Footsteps of the Kazaks 19km(悪天候のため短縮)
http://adventure1973.blog.shinobi.jp/Entry/191/

★6/28(火)ステージ3 Water in the Gobi Desert 44.5km
http://adventure1973.blog.shinobi.jp/Entry/192/

★6/29(水)ステージ4 Into the Dunes 37.3km
http://adventure1973.blog.shinobi.jp/Entry/199/

★6/30(木)ステージ5 The Long March along the Silk Road 80.8km
http://adventure1973.blog.shinobi.jp/Entry/198/

★7/ 1(金)ロングステージ2日目・・・キャンプ地待機
http://adventure1973.blog.shinobi.jp/Entry/189/

★7/ 2(土)ステージ6 最終日
http://adventure1973.blog.shinobi.jp/Entry/200/

★7/ 3(日)帰国
http://adventure1973.blog.shinobi.jp/Entry/201/

■総合
エントリー:152人
出走者    :148人
順位      :13位

■ステージ別
ステージ1、34.6km、 5:14:00、14位
ステージ2、19km、   1:47:24、11位  (悪天候のため短縮)
ステージ3、44.5km、 5:12:56、10位
ステージ4、37.3km、 6:49:34、18位
ステージ5、80.8km、15:35:15、22位
ステージ6、14km、   1:35:56、10位

■その他
レーシング・ザ・プラネット ゴビ・マーチのHP
http://www.4deserts.com/gobimarch/

私の装備表など
http://www.adventure-runner.com/desert/gobi/doc/gobi_equipment_2011.pdf

パオロのHP(イタリアのトップアスリート?)
http://www.paolobarghini.com/

20110703_1.jpg朝6時に起床。今日は7時にはホテルを出発し空港に向かわなければいけない。朝食を食べにロビーに降りると成宮さんが先に食事していた。成宮さんは自分たちよりももう少し早く出発する。食事を済ませてからチェックアウトしロビーで栗原くんが来るのを待っているとパオロもこれから出発するようでロビーに来ていた。軽く挨拶して握手を交わす。次の再会はあるんだろうか?それからタンさんも出発のためロビーにいた。こんなに早く出発する人は少なくロビーに人影もまばらな中で最後に2人に会うことができてよかった。ぱらぱらと帰っていく選手達を見ると「終わったんだな」と少し寂しい気分になる。


20110703_2.jpg栗原くんが来てホテルを出発。タクシーに乗ってウルムチ空港へ。30分程度で空港到着。栗原くんはまだ航空券を取っていないのでカウンターで自分や小野さんが乗っていく便を取ろうとしている。栗原くんを待つ間空港の中を見て回る。土産物屋も見たがいまいちかなー。ラクダ肉だけ購入(ランフィールド夏合宿差し入れ用)。栗原くんの航空券も問題なく取れてチェックイン。搭乗口に行ってから待っている間にお店を見る。あまりいろいろな店はなく何か所かに店があっても商品が同じなので見る場所は限られる。ウイグル民族音楽CDが何種類か売られていたがその中の1つがアイドルユニットみたいになっていたので面白いかもと思って購入。パッケージはアイドルCDな感じだけど中身はウイグル民族音楽です。

20110703_3.jpg飛行機で北京へ移動。事件もネタもなくすんなり北京に到着。乗り換え時間が1時間ほどしかない小野さんは急いで次の便へ。小野さんはこの乗り換えのために全ての荷物を手荷物として機内持ち込みにしていた。自分と栗原くんはゆっくりできるためのんびり移動。北京空港はすごく広いので電車に乗って別のターミナルへ移動。出発ターミナルまで行ってから別行動。お土産購入のためにお店をまわる。いまいち面白そうなものはなかったがエジプト・アタカマでマグカップを買って帰ってきているのでお茶のカップ?を購入。


搭乗時間が近づいたので出発ゲートに行き栗原くんと合流。飛行機まではここからさらにバスに乗っていくらしい。北京空港広いなー。成田行きを待つ人の列に砂漠レースのワッペンを付けた外国人選手がいた。日本に住んでいる外国人選手の参加も3人くらいあったようなので、その人達だろう。フライトは少し遅れて出発。飛行機の中で隣の人に「どちらに行って来たんですか?」と話しかけられたので、そこから壮大な話が始まる(笑)「ウルムチに行ってきました」から当然何しに行ったのかという話になるので・・・。

成田の到着ゲートを出たところで栗原くんと一度別れたが電車で再び一緒になった。夜遅くに帰宅。昨日まで砂漠にいたのに、あまりにも早く社会復帰。明日から仕事できるのか謎。

■総合
エントリー:152人
出走者    :148人
順位      :13位

■ステージ別
ステージ1、34.6km、 5:14:00、14位
ステージ2、19km、   1:47:24、11位  (悪天候のため短縮)
ステージ3、44.5km、 5:12:56、10位
ステージ4、37.3km、 6:49:34、18位
ステージ5、80.8km、15:35:15、22位
ステージ6、14km、   1:35:56、10位

20110702_1.jpg夜中、風の音で目が覚めた。「なんか風が強くなったな」と思っていると、あっという間に砂嵐になった。テントは日中の暑さのため入口も窓も全開。入口を閉めるためテントの外に飛び出す。テントの入口の布を屋根のほうにまくって安全ピンで留めてしまったため手間がかかる。さらに砂が舞い上がって少ししか目を開けていられないため作業も時間がかかる。入口の布を落としてから窓を塞ぎにテントの横へ回り込む。窓になっている布を縛ってある紐を解いて完了。テントの中へ戻り内側から入口の布を紐で縛っていると外に飛び出していたテントメイトが隙間から飛び込んできた(笑)すべての入口と窓を塞いでも強風が吹き込んできてテントの中まで砂嵐。現地人のキャンプ設営スタッフ達も大騒ぎでテント周辺に集まってきて杭を打ち込んでいる音がしている。地面にしっかり固定しないとテントが飛ばされてしまいそうだ。自分たちでできることがなくなったので寝ようとするが砂埃で口や喉がからからですごい不快感。時計を見ると深夜1時を回ったところ。なかなか寝付けず長い夜になった。

朝起きると何もかもが砂まみれ。せっかく昨日はシャツを洗ったりして少しでも爽やかな最終日を迎えようとしたのに、すべてが台無しになっていた。今回のレース期間の中で最も汚れている。いや今までの砂漠レースすべての中で最も汚れていると思う。みんな砂を少しでも落とそうとウェアやザックを叩いているが、ちょっと払ったくらいではどうにもならないくらいになっている。テントの入口に並んだシューズはもはやただのゴミにしか見えなかった。小野さんが「すごかったですね!」と嬉しそうな顔をしてやってきた。小野さんは何があっても楽しそう。ありえないトラブルが起こるから楽しい砂漠レース。すべてを受け入れるしかない。砂嵐のおかげでテントの周りにさらさらの砂が積もったのでお土産の砂を採取しなおす。

20110702_2.jpg今日は上位36人は9時30分スタート、それ以外の人は8時30分スタートだ。そのため上位にいる自分と小野さんは朝はゆっくりできる。先にスタートする日本人メンバーと写真を撮ってスタートを見送る。それから自分の最終日の準備。少し残った食料も捨ててしまう。今日のコースは14km。どんな風に走ろうか?と考えた。前後の順位の選手は30分ほど離れているため、もう順位の変動はない。のんびり走ってもいいかなとも思うがやっぱり全力で行こうと決める。「1時間先にスタートした日本人選手全員に追いつけないだろうか?」と思いつき目標決定。スタートラインでパオロと写真を撮ってもらいスタート!

20110702_3.jpg最初から先頭集団で飛び出す。前を行くのは1位のデーモンとジミー。3番手を走っていると韓国のホンが隣に出てきた。コースは登りになる。デーモン、ジミー、ホンに遅れる。やっぱり上位陣は強い。しかしその後の下りと平地で再び追いつき少し急な登りでデーモンとジミーを抜かす。先頭がホンで自分は2番手。登りで差をつけられたが、登りきってコースが道を外れて左に曲がるところでホンは道を走ってまっすぐ行ってしまった。声が届くくらいの差であれば大声を出して知らせるのだが自分が登りきったときにはホンの姿は見えず。少しだけ「ラッキー♪」と思う。もしかしたら1位ゴールも不可能ではないかもしれないぞ。岩の隙間のような場所を下っていく1時間前にスタートした選手の最後尾に追いついた。スピードに乗って爆走。少しするとフラッグを見かけないことに気がついた。足元を見ると割と固い地面で自分の足跡もほとんど残っていないが・・・。しかしかすかにではあるが足跡はつくので地面をよく見る。自分以外の足跡がない!自分の前を100人ほど進んでいるのに足跡がないなんてありえない。急いで元来たコースを登り返す。途中で分岐があった!5分ほどロスしたか。正規のコースに復帰すると、また1時間前スタートの最後尾を抜かす(笑)はるか前方をホンがすごい勢いで走っていくのが見える。今自分は何番手くらいなんだろう?

20110702_4.jpg1時間前スタートの選手を次々と抜かしていくと、美絵さんと長谷川さんに追いついた。「先に何人くらい行ってます?」と聞くと「7人くらい?」とのこと。やっぱりだいぶ行かれちゃったなー。何番でもやることは全力で走るだけなので加速していくと後ろから「行けー!日本の誇りー!」と声が飛ぶ。普段なら恥ずかしいけど砂漠レースならそういうのもありだなーと嬉しく思う。ホンはすっかり姿が見えなくなってしまい追いつくのは先スタートの選手ばかり。ユーさんがいたので「ミスコースしちゃいましたー」と声をかけて抜かしていく。崖のような場所に出たが、そのままの勢いで崖にダイブ。スキーのショートターンのようにシューズのエッジでブレーキをかけながら駆け下る。反対側の登りに取り付いて振り返ると後ろから突入した選手が滑落しているのが見えた。

20110702_5.jpgコースは緩やかな登りが続き、順位が決まっていること、前後に上位の選手が見当たらないことから若干ペース落ち気味。時々抜かす下位の選手と声を掛け合いながら走っていく。そろそろ成宮さん、栗原くんあたりに追いつかないかなーと思うが日本人選手には追いつかない。さすがに14kmで1時間差は厳しいか。最後にがつっと登った後ゴールに向かって下り。スタッフに「あと2km」と声を掛けられる。下りを爆走していると成宮さん発見。さらに下って岩の角を曲がるとラクダが!(野良ではない)崖の隙間でコースが狭いので刺激して蹴られたりしないようにそっと横を通り抜ける。崖の隙間を抜けるとなにやら建物が見える。ゴールだ!舗装路に出る手前で鈴木くんを抜かす。少し舗装路を走り建物が立ち並んでいる敷地に入る。そしてゴール。ずっしり重い完走メダルをかけてもらう。ゴビ完走も嬉しいが、ついに南極レースへの扉が開かれた!栗原くんが「おめでとうございます!」と出迎えてくれた。この場所は火焔山というところで西遊記の舞台でもある。孫悟空の像があり、この場所は中国西部の砂漠地帯でも特に暑い地域らしく案内看板に「中国最熱的地方」と書かれている。

20110702_6.jpgいつものようにゴールには飲み物・食べ物がたくさん。ジュースがうまい!(笑)しかし今回お腹の調子はいまいちなのか固形物に対する食欲がなくフルーツばかり食べる。ゴールまであと少しのところに座って飲み食いしながらみんなのゴールを待つ。みんなのゴールシーンは心温まる雰囲気。この雰囲気をいかに伝えるかというのは難しいというか不可能な気がする。これを感じたければここに来るしかないんだろうな。今日は上位でゴールしたジミーがぐったり横になっていた。握手して写真を撮ってもらったがジミーはかなり具合悪そう。この後ジミーはバスで帰らずスタッフの車に収容されたようだが・・・ジミー速いのにデリケート過ぎるぞ・・・。アリがゴールにやってきたので小野さんと一緒にゴールゲートへアリを迎えに行く。アリは奥さん娘さんに出迎えてもらってとても嬉しそう。アリは次は南極レースに挑戦する予定。南極で再会できるといいな。それからさらにだいぶ時間がたって美絵さん、長谷川さんが一緒にゴールへやってくる。2人で日の丸が書かれた扇子を掲げてゴール!すばらしい演出、やりますなー。

20110702_7.jpg最後に日本人選手みんなでゴールゲートで写真を撮る。全員完走だからこその嬉しさがはじけ飛んでいる写真が撮れた。13時にバスが出るとのこと。ここから3~4時間のバスの旅。シューズのインソール、ゲーターは持ちかえっても捨てるだけなのでゴール地点のゴミ袋に捨ててしまった。シューズもホテルに帰ったら捨てる予定。バスに乗り込むとけっこうクーラーが効いていて快適。タンさんがいたので「どうでした?」と聞くと、指を喉に当ててシュッと横へ切る仕草。ロングステージでリタイアしてしまったようだ。バスが動き出すとタンさんは少し具合が悪いらしく座席から立ち上がりバスの通路へ横になる。そんなところに寝たらますます気持ちが悪くなんじゃないかと思った。

20110702_8.jpgバスはきれいに舗装された道路を通り途中トイレ休憩が1回。少しうとうと眠ったり、ぼーっと外の景色を眺めたりしながら過ごす。レースを回想するとかでもなく、とにかくぼーっと。ウルムチの街に入ると巨大な広告看板があったりショッピングモールがあったり一気に文明に帰ってきた気分になる。ホテルに戻ったらシャワー浴びておいしいものをたくさん食べようとわくわくしてくる。見覚えのある街並みになってバスはホテルに到着。無事にここに帰ってこれてよかった。バスから次々と砂埃だらけの競技者が降りて来てホテルの中へ。毎回レース後にホテルに帰ってくると「こんなどろどろで(現地では)一流のホテルに入って行っていいのか」と思ってしまう。

レース後の部屋も小野さんと一緒。小野さんはシャワー前にネットで完走の報告をしたいそうなので先にシャワーを使わせてもらう。自分がシャワーを浴びる前に装備をザックから出して、装備にシャワーを浴びせる。とにかくある程度でも砂を落とさないと帰る準備ができない。シャワーで流した装備をバスタオルの上に並べてから自分がシャワーを浴びる。体を洗ったタオルが真っ茶色になっている(笑)おそらく1週間砂漠でレースしたからではなく、この汚れのほとんどは昨夜の砂嵐のせいだと思う。パーティの時間までは2時間程度。外に出るほどの時間もないし、部屋で明日の帰国の準備をしてベッドに寝転がる。少しお腹が空いたのでホテルまでは持って来たけれど砂漠には持っていかなかった食料の残りを食べていると小野さんに「よくそんなの食べれますね」と笑われた。

19時にパーティ会場へ。栗原くんは今日の飛行機で帰ったとか!あわただしいなー。スクリーンを見やすいいいテーブルを日本人選手分の椅子と共に確保。しかし他の日本人選手こないぞー。会場内のテーブルがだいたい埋まり席を確保できていない海外選手が空席っぽく見える日本人席のまわりをうろうろ。まだ来ていない人の席をキープしておくことが困難になり日本人席少し縮小。少ししてみんな揃ったので椅子が足りない分だけ別の場所から持ってきて日本人席を作った。長谷川さんは具合が悪く部屋で寝ているようだ。今回のレースではテントやバスで長谷川さんとご一緒して話をする機会が多かっただけにパーティで乾杯できないのは残念すぎる。しばらく食事して(でもやっぱりここのホテルの食事は悪くはないけど個人的にいまいちかなー)それから表彰式。優勝のデーモンはぶっちぎりの強さだったが、普通の服装で見ると・・・「普通のおっさんだよね」と小野さんと話していました。パオロ先生は3位。パオロが優勝した2009年エジプトではちょこちょこ一緒に走る場面もあったのだが今回は影すら踏めず。それから大会オフィシャルカメラマンが撮影した写真スライドショーを見た。会場で韓国の人がテグの世界陸上の応援メッセージ?を募集していました。

自分は次に砂漠レースに来るのは1年半後の南極で、しばらくこういう場に来ないので「サマンサと写真撮ってもらおう」と思いサマンサを探す。サマンサを見つけたが何人かの選手と難しそうな顔をして何か話している。競技上のクレームか何かあったのだろうか。しばらく様子を見たがいつまでも何か話し合っているのであきらめ。話が終わるとサマンサはどこかに行ってしまった。鈴木くんがタイミングチップを返却できていなかったので、アリーナが回収していたことを伝え一緒にアリーナのところへ。アリーナとも写真撮ってもらおうと思いアリーナと写真撮影。アリーナに「次はいつ会える」と聞かれたので「来年、南極!」と宣言しておいた。アリーナの反応からすると南極の出場枠はまだ空いている感じだ。よしよし・・・帰ったらすぐエントリーするぞ。

パーティ会場を出て、日本人選手でホテルの喫茶店でささやかに打ち上げ。なんと今日の飛行機で帰ったはずの栗原くんが戻ってきていた。途中でタクシーが故障して飛行機に間に合わなかったんだそうな・・・。小野さんが長谷川さんに電話したがまだ具合が悪いらしい。美絵さんは明日1日ウルムチ観光するので「地球の歩き方」を貸してほしいとのことで「地球の歩き方」を渡しておく。その他のメンバーは明日帰国するようだ。朝は自分、小野さん、栗原くんが一緒に出発する予定。部屋に帰ってから寝る前に小野さんが大会HPを見ていたので「デーモンって何歳なんだろうね」と選手リストを見ると37歳!?あの風貌で同じ歳かーと衝撃を受けた。なぜか今回はのんびり想いにふけることもなくどたばたと時間が過ぎて行く。楽しさはいつもと変わらずだけど。

20110629_1.jpg3時に起きて朝食と荷造り。今日は3時間ほどバスで移動した後すぐにスタートする。お湯はスタート直前にはなく、ここで3時から4時までしかもらえないためお湯を使う朝食の場合はスタートまでかなり時間があるがここで食べて行かなければいけない。4時にバスに乗り込んで出発。山岳地帯からマイナス標高のトルファンへ。気温も一気に上がるはずだが今日のコースには砂丘があるので楽しみ。

バスは山道を下っていく。遠くの方に街の明かりが見えるがあれがトルファンだろうか。山道を下り切ると高速道路のような道に入りバスはスピードを上げていく。しばらくうとうと眠っているとバスが停止。トイレ休憩か?と思ったがどうも様子がおかしい。外に出てみると自分の乗っている3号車がタイヤ交換中。何かトラブルがあったようだ。今までの4Desertsのレースでは、エジプトではバスのエンジンが煙を吐いて動かなくなり、アタカマではバスが川にはまったのをみんなで押して脱出し、とバスで必ずトラブルが起きている。「またかー(笑)」とタイヤを交換する様子を写真に撮って楽しむ。かなり長い時間かかってタイヤ交換が終了し再び移動開始。

20110629_3.jpgスタート地点に到着したのは8時ちょっと前。ほんとうは7時到着、8時スタートの予定だったので、スタート時間は何時になるのだろうと気がかり。とりあえずいつスタートされてもいいようにスタート後でも動きながらできるようなことは後回しにして最低限の準備を済ませる。すると8時ちょっと過ぎに軽くブリーフィングがおこなわれ、その後唐突にスタートのカウントダウンが始まってスタート。きちんとスタートラインについていなかったがスタート直後に前にいたランナーを抜かして先頭集団に飛び出す。どのように走るかイメージもできていなかったが、とりあえず砂丘を楽しく走って砂丘を抜けたときの体調で後のことを考えよう。

20110629_4.jpg最初から果てしなく広がる砂丘地帯。これぞまさに砂漠!足は取られるし登りは3歩進んで2歩下がるだし、やっぱり大変なのだが、いちばん走りたい場所でもあるのでテンションは上がる。すさまじいほどの大砂丘地帯。これほどの規模はモロッコのメルズーガ砂丘以来だ。というかメルズーガ以上かもしれない。先頭集団からはこぼれて少しずつ抜かされいつもくらいのポジション10番手くらいまで後退。砂丘地帯を走っている自分の写真を撮りたくなったが、10位前後を走っている選手に「シャッター押してください」は言いづらいなあと思った。しかしやっぱり写真を撮りたいので近くを走っている選手にお願いすると快くOKしてくれた。とても楽しく時間を忘れて走ることができ砂丘の終わりが見えて来た時は「40km全部砂丘でいいのに」とか思った。そのくらい素晴らしい光景だった。実際40km続いたら大変なことになると思うが。

20110629_5.jpg10kmほどの砂丘を越えてようやくチェックポイントへ。砂がシューズに入るのを防ぐゲーターはつけていたものの1時間半ほど砂丘を走るとシューズの中には砂がたくさん入る。CP1でシューズと靴下を脱ぎ砂をしっかり落とす。このとき靴下も脱ぐのがポイント。砂はみんな靴下の中に入り足にまとわりついているのでシューズを脱いだだけだとほとんど砂は落ちない。指先の皮膚が少し剥けていたためバンドエイドを貼っておく。この間に何人かがCP1を通過。その中に小野さんもいた。水を持ってきてくれたスタッフが、ザックの背中に付けてある寄せ書きラミネート加工を見て「おー」と言っているので「友達からのメッセージなんだー」と自慢しておいた(なんて言ったら英語で自慢したことになるかわからないが雰囲気でw)。


20110629_6.jpgCP2へは割と平坦な荒地をゆっくり走る。まだ太陽は雲で隠れているし暑くはない。CP2の手前、速歩きで小野さんに追いついた。2人一緒にCP2に到着。気温も上がって少し気持ち悪くなってきたため気分転換に音楽を聴きながら歩くことにする。ウォークマンや食べ物を取り出しているうちに小野さんは行ってしまった。経験の少ない人はチェックポイントで時間を無駄にする印象があるのだが、小野さんは初砂漠というよりはレース経験自体も決して多くはないのにチェックポイントが早い。


速歩きしながら水と塩タブレットを繰り返し摂る。手が浮腫んでいるので手を握ったり開いたりして血行を良くする。しばらく進むと塩タブレットがない!ザックのポケットから出し入れしていたのだが落としてしまったらしい。こまめに摂っていたので、落とした場所からそんなに離れてはいないはずと思い後ろを振り返る。だいたい自分が歩いてきた場所はわかる気がする。しかし真っ平らな地面というわけでもなく塩タブレットの袋を見つけられるかどうかと考えるとちょっと自信がない。客観的に判断すれば不可能に近いのかもしれない。少しどうするか考えたが「とりあえず今日だけでもなんとかゴールにつければ後は明日のロングコースのみ。みんなから少しずつ塩を分けてもらえば1日分くらいはすぐ集まるだろう」と考え先へ進むことに。最悪コーンスープの粉でも舐めて進めばなんとかなるだろう。

20110629_8.jpg急激に気温が上がり「これはちょっとやばい」という状況になってきた。しかし遥か前方に小野さんらしき人影が見える。これは追いつくしかない!足を速めて進むと小野さんは一度道路に出てその先のコースを探している様子。地元警官か何か数人の人影が見えて小野さんを取り囲んで何かしている。一瞬「何かトラブルでもあったのか?」と思ったが集まっていた人影がばらけて向こうに向かって走り出す小野さん。「あー、走らないでー!」と思うがこちらはまだ荒地にいてペースを上げることができない。もう追いつけないかも・・・。一度舗装路に出て警察官のいるところを通りすぎる。

小野さんが走って行った道は車が普通に走れるくらいの土の道。もし追いつけなければ本当にコーンスープでもカップラーメンでも塩分のあるものを口に含みながら進むしかなくなってしまう。幸い現時点では塩分も水も足りているらしく手の浮腫みもすっかり回復している。「仕方ない一か八か全力で追いかけるか!」と判断。追いついて塩タブレットでもスポーツドリンクの粉でも分けてもらえればそこから先は時間をかけてゆっくり進んでもいい。土の道を全力で走る。しばらく進むと再び荒地になったが前方に歩いている小野さんを確認。「そのまま歩いていてくれ!」と願いながらやっと追いつくことができた。

「スポーツドリンクの粉をもらえる?」と聞いて、塩タブレットを落としてしまったことを伝えると小野さんは塩タブレットの予備が丸ごと2袋余っていると言い1袋分けてくれた。助かった・・・。ちょっと命懸ってたな。気温は朝とは打って変わってあり得ない暑さになりつつあった。追いつけなくて塩なしだったら本当にやばかった。昨日までともまるで違う暑さ。小野さんと2人で歩く。ゴールしたら塩タブレットのお礼にビールをおごる約束をする。砂漠での塩の価値に比べたらビールなんて安い。ピンチを切り抜けた安堵感もあって楽しくCP3へ到着。

20110629_9.jpgCP3ではスタッフから「この先コースフラッグがなくなっている場所があるので335度の方角へ進め」と指示があった。またかなり暑くなっているので水を余分に持っていくようにとの指示もあり。ここまでですでに十分暑いのにさらに上を行く暑さになりつつあった。暑いんじゃなくて熱い。小野さんと一緒にコースを探しながら行くことにする。CP3を出てしばらくすると早速フラッグが見当たらない。コンパスを見てだいたい335度方向を探すが、まったくフラッグがなく進むことができない。前に3人のグループがいて335度とは違う方角に進んでいる。その方向を良く見ると3人グループは迷いなく進んでいるように見えたため「コースを見つけているのかも」と思い。振り返って小野さんに「あの集団追いかけますか?」と聞くと小野さんはその方向にフラッグを見つけることができ「ありました!」と指している。スタッフの言っていた335度とまったく方角違いますけど・・・

ピンクフラッグを追いかけ順調にゴールできそうと思われたが、あまりの高温に体が動かなくなってきた。水はお湯になり、カーボショッツは熱くなっている。小野さんの後ろについて行くので精一杯。「これは今日は相当リタイア者が出るな」と小野さんと話をする。ゴールゲートが見えてきて2人で「やった!」と喜びの声を上げるが、予想した行動時間よりも短い。「4Desertのレースはゴールが見えてからが長いから」と言いつつも地形はほぼ平地なので迂回するような場所もなくすぐにゴールできる期待が高まる。しかしピンクフラッグを追いかけて行くと牧草地の柵のような鉄条網に突き当たった。そのまま鉄条網を潜れば20~30m先に道が見えフラッグがゴールに向かって続いている。しかしピンクフラッグは鉄条網を潜るのではなく右に曲がって果てしなく続く鉄条網に沿って”ゴールとは反対方向”に続いている。どこまで続いているのか先が見えない鉄条網を迂回してまたこちらに戻って来るらしい。

「やっぱり・・・」と絶望的な気持ちになりながらも2人で進み続ける。そういえば前にいた3人組がいなくなっている。ショートカットしやがった。さらに後ろにいた2人組の姿も消えている。あいつらもか!。しばらく必死に進むと柵の終わりが見え作業道が柵の中(どちらが中かはわからないが)に入っていく。あとはまっすぐゴールゲートに進むだけ。小野さんに「ゴールしたらショートカットした奴らのことチクッてくださいね」と話す。時間にしたら10~15分程度か?しかし前の3人組は近づいていたし、あのまま全員で迂回コースに入っていたら抜かせたかもしれない。(自分はふらふらだけど)後から聞いた話だが日本人は全員ピンクフラッグに沿って迂回したが海外の選手はショートカットしたようだった。(そしてショートカットした人にペナルティが与えられることもなかった)やっとの想いでゴール。そしてゴールテントに倒れこむ。ふらふらだった割には小野さんに引っ張ってもらったおかげて17位とまずまずのところをキープ。今日は距離にすれば40km弱というごく普通のコースだったが波乱万丈でとても長く感じた。

20110629_10.jpgゴールテントに倒れこんだまま行動不能に。がんばれば自分のテントには帰れるかもしれないが使える水も限られる場所で倒れているよりも、スタッフやドクターが近くにいる場所で倒れているほうが安全。時々スタッフが頭を持ちあげて水を飲ませてくれる。完全に赤ちゃん状態だ(笑)あまりに自分がぐったり倒れているので、スタッフが顔の上で「名前は?」と大きな声で聞いてくる。名前を言いながらその意味を理解して笑ってしまう。ちゃんと意識ありますよー(笑)気温はさらに上昇。風が吹くと熱風で焦がされているよう。風が吹かないほうが楽というあり得ないことになっている。

しばらくしてからスタッフに両脇を抱えられメディカルテントへ移動。ベッドのようになっているアウトドアチェアに横になる。近くにスプレー(霧吹き)があったので体に霧を吹きかける。これは快適。テントで倒れているよりよっぽどいいや。しかし後からゴールしてくる人が来たら場所を譲らなければいけないと少しは気にしていたが、ほとんど選手は帰ってこない。どういうわけかゴールテントやメディカルではスタッフがいつもに比べると少なくどこかに出かけている様子。メディカルはほぼセルフサービスで選手自身が好きに使っている状態になっていた。

20110629_11.jpg横になっていてときどき動くとベッドの金属フレームに手足が触れてやけどしそうなほど熱い。空には雲もあり日差しが時々遮られる晴れというよりは曇りに近い天気なのにこの暑さはなんなんだろう。いつのまにかジミーがメディカルテントにぶらっとやってきてスプレーをかけてくれていた。小野さんが「大丈夫ですか」とやってきて「何かできることがあればします」と言ってくれたので、あまりに申し訳ないことだが自分の荷物からコーンスープを出してもらいお湯を注いできてもらった。コーンスープを飲んでやっと一息。ようやく「動かなきゃ」という気分になる。ゴールしてから2時間経過していた。一度テントに行ったが自分の荷物をゴールテントやメディカルテントに置き忘れたりしていたので荷物の回収に出かける。ゴールのスタッフは足りていないようで選手がゴールしてきても見ていなかったり、ゴールの太鼓を叩く人がいなかったりしたので、自分が少しの間太鼓をたたいた。ちょっと叩いてみたかったので叩けて嬉しい。

自分のテントに帰り横になって「今日はもしかしたら日本人参加者からもリタイアが出るかもしれない」と思っていると長谷川さんが帰って来た。「ありえ~ん・・・」と倒れこみぐったりしている。あまりの暑さで各CPでは待機・休憩者続出、コース上で行き倒れている人も続出だったらしい。キャンプ地にもだいぶ選手は帰ってきていたがゴールテントが拡張されて野戦病院のように人が倒れている。そんな中、隣のテントから「ちょー簡単だったー♪」と成宮さんの声が聞こえてきた。無事に帰って来たらしいが・・・簡単だった?そんなわけないだろうが、冗談でも元気にそんなことを言えてしまうのが恐ろしい。さすがリタイアするする詐欺だ(毎日のように今日はリタイアすると言っている)。

日本人参加者は無事に全員ゴールしたが、みんなの意見は同じ「このまま明日のロングステージやったら死人が出る」。今日1日でみんなぐったり。明日この暑さの中で80kmなんてあり得ないという気持ちだった。長谷川さんと話していたら「昨日の夜、寝ている時、トラックでスピード練習しているみたいな呼吸してたよー」と言われた。「毎日楽しませてもらっています」とのことだけど・・・それって長谷川さんの睡眠を妨害してないか?夜も気温はあまり下がらず・・・ちょこちょこ目を覚ましては水を体にかけて耐えた。

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プロフィール
HN:
かばっち
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性別:
男性
職業:
system engineer
自己紹介:
なぜか砂漠にひかれサハラ・アタカマ・ゴビ・南極でおこなわれたレースに出場。これからも世界の絶景を見に行きたい。
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