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■ドレーク海峡1日目
 
目が覚めると船はドレーク海峡に入っていてゆらゆらと揺れている。7時ごろ暇なのでデッキに上がってみるが何も見えず、揺れていて疲れるので部屋に戻る。8時にウェイクアップコール。8時半から朝食ビュッフェ。食べ始めると早くも食欲が落ちているのがわかる。念のため昨日の夜から酔い止めの薬は飲んでいる。特にやることがないためベッドにごろごろしてから、本格的に荒れる前にシャワーを浴びておくことにする。立っているとゆらゆらするため床に座ってシャワー。それでも相当疲れた。がんばって体を拭いてベッドに倒れこむ。船はだいぶ大きく揺れるようになってきた。
 
12時にランチの放送が入るがシャワーを浴びて疲れてしまったので食事はせずに寝ている。吐くほどにはならないが体を起こしていると非常に疲れて一度に行動できるのは数分間。用事を済ますために急いで動いたらしばらくベッドに倒れて休む感じ。気合を入れて三脚にカメラを設置し窓の外の荒れ具合を動画撮影してみる。景色が空だけになったり海だけになったり大変だ。ただ動きはゆっくりなので物が滑ったり飛んでいったりということはない。
 
19時にディナーの放送。席に着くとウェイターが来てOption1, 2, ベジタリアンを聞いて行くのだが、その後食事が出てくるまで数十分を要するため席に座って待つのが辛い。おそらく料理の準備にもたもたしているのではなく優雅な船旅(世間一般的には南極クルーズは富裕層の娯楽であろう)なので、食べるだけではなく会話を楽しむとかそういう意味で流れがゆっくりなのだろう。
 
しかし数分起き上がっていると気持ち悪くなってしまう現在の状況でこれは致命傷。ようやく料理が出てきたが、ひろっちは大きな肉の塊を見て「無理」と部屋に帰ってしまった。自分は休み休みなんとか3分の2程度を食べてリタイア。かなり辛い状況ではあるが、話に聞く壁が床になる勢いで揺れたり、フォークやナイフが飛んでいって壁際に集まっていたりということはないのでドレーク海峡にしてはおとなしいほうなのかもしれない。
 
夕食の後はやることもないので寝る。やることがあったとしても気持ち悪くて起きていられない。
 
■ドレーク海峡2日目
 
部屋についているモニターに船の現在地が映し出されている。だいぶキングジョージ島が近くなってきた。今日明るいうち(23時ごろまで明るいのだが)には到着するだろう。海の少し穏やかになってきたような気がする。しかし一度不調になると簡単には回復しないのか、一度に数分しか行動できないことに変わりはない。
 
8時30分から朝食。がんばって卵とコーヒーのみをなんとか食べる。パンはジップロックに入れて部屋へ持ち帰る。明日はステージ1の100kmが待っているため少しずつでも食べておかなければいけない。10時からラウンジで南極上陸についてのブリーフィング。必ず聞いておかなければいけないが少しの間体を起こしていると変な汗をかいて具合が悪くなってくるので15分で撤収する。
 
11時30分。南極上陸時にアウターに着そうなウェアを掃除機で掃除するように指示がある。よその土地の種子を南極に持ち込まないようにするためだ。このほか上陸前と船に帰ってきたときには必ずシューズの裏面を消毒液につけてブラシでこすらなければいけない。
 
13時にランチの召集。起き上がると気持ち悪いのでパス。朝食のときにジップロックに入れて持ち帰ったパンを食べる。ダイエットにはなりそうだけど明日100km走るというのは不安だ。ひろっちはランチには行ったが食べられずスープだけ飲んで帰ってきた。
 
14時30分。レンタルのブーツを取りに来るように放送が入る。ゾディアックに乗るときにはこのブーツを履く。最初ひとまわり大きいサイズを出してもらったが試着すると緩かったためワンサイズ小さいものと交換してもらう。
 
16時からレストランで明日のレースについてブリーフィング。ウェイクアップコールはないが5時ごろ起床して5時30分から朝食をとり6時30分にはレースの準備を済ませ出発できるようにしておくようにとのこと。レースは7時30分スタート、20時30分カットオフ予定で、コースは14kmの8の字ループ(8の字と行っても折り返しのため後ろのランナーと対面ですれ違うようになる)で時間内に何周できたかが競技結果になる。12時から13時の1時間はランチタイムでベースキャンプではお湯が提供されるとのこと。また行動食はドライフルーツ、肉、種子(ナッツなど)は不可とのことで、これはかなりの選手が行動食の制限を受けたようだ。こういう情報は事前に出しておいてほしいものである。幸い自分の行動食はジェルとグミだったため用意したものをそのまま使えた。トイレはベースキャンプに用意するが途中で我慢できなくなった場合は絶対に途中で用を足せないためビニール袋で持ち帰るようにと黒いビニール袋が配布された。
 
部屋で明日のレース装備をまとめていると、またもブリーフィングの呼び出し。今度はラウンジで観光客も含め明日の動きの確認をおこなう。自分の場合は英語の聞き取りがほとんどできていないので、出席してもけっきょくわかる人に「何か重要なことはありましたか?」と聞くことになるのだが。
 
19時からディナー。今日は午後からほとんど船が揺れなくなったこともあり食欲は戻った。食事のあとレースの準備、シャワー、洗濯をして24時に就寝。今日は準備で寝るのが遅くなったけれど航海中はほとんど寝たきりなので睡眠不足の心配はない。最後の砂漠レースがいよいよ始まるけれど、いまいち盛り上がりに欠けているような気がする。(ブリーフィングの呼び出しが多すぎるせいかもしれない)
 
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なぜか砂漠にひかれサハラ・アタカマ・ゴビ・南極でおこなわれたレースに出場。これからも世界の絶景を見に行きたい。
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