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■足の汗(蒸気)でソックスとシューズが凍った対策
今回は中途半端にベイパーバリアの考え方を取り入れてしまい、防水ソックスのsealskinzの上にメリノウールを履いた。sealskinzは防水ではあるが透湿性を持つため少しずつ外側のメリノウールを濡らし、それが凍結につながったのだと思う。汗の量や透湿性を甘く見ていたこと、実験をやりきる時間がなかったことが敗因。完全防水のものできちんとベイパーバリアするのか、透湿性で水分を外に出すのか(凍結するのは承知の上で)どちらかに方針を徹底しなければいけない。水分を外に出す場合はメリノウールの上にsealskinzを履く。

レースリタイア後の練習でビニール袋を使ってベイパーバリアの真似事をしてみたが、湿気がこもった状態で長時間せっせと歩き続けるのは皮膚への負担が大きいと感じた。工夫である程度改善できるかもしれないが、1日で1箇所皮膚が剥け、足のあちこちに赤い点々ができてひりひりしてきたので、これさえやれば安心というものではなく別のトラブルを抱えることになるかもしれない。

水分を外に出す方針の場合は超低温で凍りつくのは避けられないため、1日1足の替えのソックスを用意する必要がある。これが新たな課題を抱えずに問題を解決する確実な方法だと思う。ドロップバッグができ日数が決まっているレースに特化したやり方だが、休憩睡眠を削って進み続けるという状況もレースに特化した状況なので、特化した対処でいいと思う。

■グローブの冷えの対策
足ほど顕著ではなかったがグローブも2日目に入り冷たく感じるようになった。ソックスと同様に複数枚の替えを用意する方法もあるが、装備の重量の兼ね合いもあるので足ほど汗をかかず動きの少ない手はベイパーバリアでいいのではないか。今回インナーグローブの上につけたシェルグローブ(その上に本格的な保温と防水の2枚のグローブを着けているので合計4枚)は防水ではないが、これを完全防水の素材(薬品などを扱うときに使うビニール手袋でいいと思う)を使ってはどうか。また使ったシェルグローブは耐久力が弱くぼろぼろになってしまった。

■その他の汗(蒸気)対策
今回は問題にならなかったが、複数日になるとウェアやシュラフにも湿気が溜まり凍結する可能性がある。防水のシートを1枚かませる準備はしておいたほうがよさそう。たとえばウェアはサバイバルポンチョを中間着の下に着るとか、シュラフの中にエマージェンシーBivvyを入れるなど。

■シュラフについて
今回用意したシュラフはNANGAのオーロラ900SPDXにダウン100グラム増量をしてもらったもの。増量なしのノーマル状態で快適温度マイナス27度、限界マイナス45度というもの。下見のときにマイナス35度で就寝したが問題なかった(ただしツェルト内はマイナス20度ちょっと)。しかし主催者の装備チェックでは不可。主催者がレンタルしているシュラフを借りることになってしまった(確かにダウン量、見た目全然違う、限界はマイナス47度だが)。おそらく主催者の基準は疲労しエネルギー切れでマイナス40度から50度まで下がった最悪が重なった状態。レンタル費は非常に高額(数回分で買える)だが素直に主催者推奨のシュラフをレンタルするか買うかがいいと思う。ウェアと組み合わせてとかシュラフインシュラフとか小細工しても装備チェックに通らないと思う。

■ダウンジャケットについて
パタゴニアDASパーカーで不可をくらった。これこそシュラフ以上にインナーとの組み合わせで評価してほしいところだが、DASパーカーだけしか見てもらえなかった。そもそもこちらには経験がないわけで、どの程度の対策をしてほしいか明確に見えている主催者の指示なので従うしかない。ただ今回はシュラフで不可を受けてレンタルすることになったのでDASパーカーは「お勧めしない、できれば今から買ってくるべき」と言われながらも出場は可となった。練習でマイナス35度でも一度もDASパーカーを使わずにしのげているのでそのまま出場した。

レース中のマイナス40度でもDASパーカーを使うことはなかった。動いている限りはの条件付きだが中間着も1枚あまっていた。次回は主催者基準に合いそうなダウンジャケットにする必要がある。DASパーカーの代わりにフィッツロイダウンパーカー(パタゴニアのサポートを受けているので)にする。フィッツロイダウンパーカーで主催者基準に届かなければここだけ他メーカーにするしかないかも。実はDASパーカーよりもフィッツロイダウンパーカーのほうが軽いのでわずかに軽量化になる(化繊とダウンの違い)。そしてあまった中間着の分を替えのソックスにすれば今回の装備と比べてたいして重くはならない。

■ソリへの荷物の積載方法
今回は食料、ウェア、その他装備のように分類して防水袋に入れてカラビナなどでソリに固定していたが、ほとんどの参加者は大きなバッグに荷物をまとめて、そのバッグをソリに積んでいた。細かく袋が分かれていると不注意でカラビナをつけるのを忘れるかもしれないし、カラビナをつけていても外れる可能性もゼロではない。そう考えると他の参加者同様に大きなバッグにして、中に仕切りを作って上手に収納したらいいかもしれない。ほとんどみんなお揃い?のものを使っているように見えたのでソリメーカーなどの製品を調べてみようと思う。またはシュラフ、スコップ、ツェルトくらいの大物だけソリに直付けにして、それ以外をバッグにまとめるようにすれば普段使いのバッグにもできていいかもしれない。
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なぜか砂漠にひかれサハラ・アタカマ・ゴビ・南極でおこなわれたレースに出場。これからも世界の絶景を見に行きたい。
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