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■2月16日(月)


前回のソリ練習でもう終わりにして後は帰国日まで町に行ったりだらだら過ごそうと思っていたのだが、フィッシュレイクの氷の上をもう一度歩きたいと思い、一人ユーコン二回目を実施。せっかくフィッシュレイクまで行ったら自分の写真も撮りたいし、オーロラが出たら写真に撮りたいので、ようこさんにカメラの三脚のネジを借りようと思う。ところがストックを持って来て取り付けて部分を見るとネジだけがなかったのが土台まで落として来てしまっていた。土台部分はGoproを付けれるようになっているので、これでGoproの自分撮りもできなくなってしまった。仕方がないのでようこさんに大きな三脚ごと借りる。

今日はベイパーバリアはおこなわない。がっつり動いてどのくらいソックスが濡れるのかを再度確認する。また荒れたトレイルを楽に歩けるのではないかとスノーシューを持っていく。スノーシューはレース期間中にまとまった雪が降る予報が出た場合にドロップバッグに入れようと思って持っていていた(たぶん使わないけど一応という感じで)。

準備に手間取り11時20分に出発。夜早めの時間にフィッシュレイクに着きビバークして明日の朝フィッシュレイクで遊んで午後早い時間に帰ってこれればという計画。なくなったGoproの取り付け部が道に落ちていないかと、前回戻ってきたときの歩いた場所をなぞってみる。すると見つけることができた。助かった!

トレイルの入口でスノーシューを履いて歩き始めると前回よりも格段に歩きやすい。重量が増えているのに重さは感じない。さくさく歩いているときふと「ガソリンストーブのポンプはどこに入れたっけ?」と思う。重要装備が荷物のどこにあるのか思い出せないのは気持ち悪いので荷物やポケットを漁ってポンプを探すが見当たらない。基本的に前回の荷物をソリに乗せっぱなしでいて、それを持ってきているのになぜポンプだけないのか。なくても焚き火でお湯わかせると思ったが、たかが練習でストーブを使えないリスクを取りたくないので戻ることにする。もう10kmくらい進んでいるので往復で20kmのロス。20kmという距離は時間にするとちょっとした補給の時間を考慮すると約5時間にもなる。朝出発するつもりだったのが実質夕方出発というまったく違う行程になってしまう。

ポンプは部屋に置いてありそれを持って再スタート。17時20分、もうすぐ日が暮れる。。。フィッシュレイクのがっつり登りに入るときにはすっかり夜に。薄っすらとオーロラも出ていたが今日は薄曇りなので写真を撮りたいほどのオーロラにはならず。暗い山を歩いていると「もし自分と同じことをしている人に出会ったら怖いだろうな」と思う。夜23時過ぎに下のほうから猛スピードで上がってくるスノーモービルがあった。男女2人乗りで「Helloー!」と声をあげて走り去って行った。東京で言うと夜の首都高ドライブというところだろうか。

23時半ごろ稜線に登りきる。ホワイトホースの夜景が見えるのはここまで。先に進むとフィッシュレイクが見え始めホワイトホースは見えなくなる。フィッシュレイクのほうに降りて行って樹林帯に入るする手前にツェルトを張る。風もあるし本来は樹林帯に降りてビバークするべきだがオーロラが出たら写真撮りたいし、見晴らしがよければフィッシュレイクの向こう側の山が朝日で赤く染まったりしないかなと考えた。風の中でツェルトを張るのは少々手こずった。おそらく2時ごろ就寝。

■2月17日(火)

朝を迎える前に寒くて目を覚ます。気温はマイナス2度。数字上は全然寒くない。マットが地面からの冷えを防げていない。前回はサーマレストZliteSolで大丈夫だったのに今回は完全に雪の上だからか明らかに冷たい。シュラフの中が濡れているのかと思うほどだ。あとは寝るときに脱いでシュラフの中に入れてあるsealskinz。これは本当に濡れている。内側は湿っている程度だが気温が上がったため雪が溶けて外から濡れている。シュラフの中に濡れたものを入れて寝て乾かすというのは無理だと思った。少なくともレースのように停滞時間が短いものは。凍らないようにすることと、最初に着用するときに温かくなっていて身につけた瞬間に体力を奪われないようにする程度と考えるのがよい。あと焚き火でも完全に乾かすのはまず無理だと聞いた。

8時過ぎに起きて朝食にし、800mlほど残ったサーモスのお湯を温めなおす。雪から作らなくてもこれだけで帰りの分までまかなえるかどうか?喉からからでも帰着後に飲み食いできればよいということで。9時行動開始。またちょっと遅くなってしまった。フィッシュレイクを歩き回り、凍った湖の真ん中で休憩したりのんびり過ごした。気温も0度くらいで普通にそこにいても寒くない。12時に戻り始める。少しのんびりしすぎた。ようこさん宅帰着は日没後になりそう。

ソリを引いて出かけるのはこれで最後なのでGoproやデジカメで撮影したり残りの時間を精一杯楽しんだ。フィッシュレイクから櫛田さん宅近くのトレイルに降りたところでお湯を使い切る。残り13kmくらい。途中からやっぱりヘッドライト点灯。トレイルから道路に出たときにはすっかり夜。昨日からの一日で道路の様子が変わっていて路肩の雪がだいぶ溶けてなくなっていた。交差点など車が多く通るところは雪がなくなって完全にアスファルトになっているところもある。ときどきごりごり音を立ててソリをアスファルトの上で引くことがある。ソリをもっと長く借りていたとしても移動不可能になるな。ようこさん宅到着は20時30分。33時間10分、75km。

これでユーコンでのソリ練習は終了した。下見、レース、レース後を合計すると300km以上ソリを引いてユーコンを歩いたことになる。試しておくべきことはだいたい試せた。来年出場できる状況を作って、マイナス40度の対策をして、来年もぜひマイナス40度まで冷えてほしい。
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なぜか砂漠にひかれサハラ・アタカマ・ゴビ・南極でおこなわれたレースに出場。これからも世界の絶景を見に行きたい。
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