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■11/30(金)南極最終日
 
朝食を済ませた後、8時からゾディアックで氷山ツアーがあるらしい。自由参加だがこれが南極での最後のアクティビティになるため参加することにする。長靴を履いてゾディアックに乗り込むデッキに行くと何人かゾディアック待ちをしていたがグループが大きいらしく、すでに出発待ちをしているゾディアックの次の便を待っている。そこで待っているゾディアックに乗ろうとすると「スパニッシュ?」と聞かれる。ツアーはスペイン語ガイドか英語ガイドに分かれてゾディアックに乗るようになっていた。いくら英語すらままならないとはいえスペイン語ガイドで出かけてもまったくわからないため英語ガイドのゾディアックに乗るため一度階段を引き返してデッキに戻る。しかし結局スペイン語ガイドのゾディアックに乗る人がいなかったため、私がスペイン語ゾディアックに乗せられる。同じように美絵さんと近藤さんも同じゾディアックに乗船。
 
曇り空の下、氷山ツアー出発。南極に来てから最初の3日間は南極にしては珍しいという晴れに恵まれたが、それ以降は南極らしい?曇り空ばかりだったな。ゾディアックは氷山に近づいては止まりガイドさんが何やら説明をしていく。この辺りは岩場のような小さな島がたくさんたくさんあり陸地沿いに氷の壁やそこから剥がれ落ちた小さな氷が流れている。曇り空でも氷は青く光りゾディアックから水面の下の氷を見ると緑がかった青い色をしている。最初のうちは何が見れるかわくわくしていたが、何日も南極にいた後なので飽きてきた。ゾディアックに乗っていると風は寒いし揺れて疲れるため1時間経過したころには早く船に戻らないかなとばかり考えていた。船のほうに戻っていくときに今にもひっくり返りそうな感じにゆっくり大きく揺れている氷山を見た。9時40分にツアー終了。
 
船は南極半島からほぼ真北へ向かう。南極に来るときは丸二日間の航海だったがレース(観光)を南下しながらおこなっていたため帰りは少し距離が長く三日かかる。すぐに景色から島や氷山の姿はなくなり波で船が揺れ始める。これからドレーク海峡に入るとまた船酔いとの戦いだ。帰りはその後のレースなど考えなくてよいので酔い止めを飲まずにどこまで行けるか試してみることにする。12時30分からランチ。食事の時間やブリーフィングの招集、その他お知らせなどで放送が入ると大抵最後に「Enjoy!」と言って放送が終わるため、なんでいつもそういう決まり文句なんだろうと思っていたら、放送が入ったときに放送を聞いていた外国人選手が先に「Enjoy!」と言っていた(笑)
 
小耳に挟んだ話。今回の南極レースは周回コースのため雪が深い場所では一列に道ができてくる。そのため上位の選手が周回差で後ろから接近してくると下位の選手が道を譲る場面も多くなるのだが、上位選手の1人マイケルの仲間達がマイケルに少しでも有利になるようにターゲットを決めて道を譲らずにブロックする作戦をしていたらしい。私もブロック対象にされていたと。マイケルあまりにもガチ過ぎてちょっと引くわー。真剣にやるのはもちろん素晴らしいことだけどそれはやり過ぎ。逆にビンセントなんかは1位を確保した後は明らかに流している感じでそれもどうなんだと思うけど。
 
深夜になっても船はまだようやくキングジョージ島くらいの緯度。ここから丸2日くらいかかると思うと憂鬱になる。まだ南極にいると言ってもいいくらいの位置だが南極半島にいるときよりは空が暗くなるようになった。シャワーの水圧が南極半島のときよりも上がった気がする。レース中はみんなのシャワーを使うタイミングが同じだったからかな。

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■12/1(土)ドレーク海峡
 
ドレーク海峡に入ったが海は穏やかでほとんど揺れない。酔い止めを飲んでいなくても全く問題なし。何もやることがなく暇過ぎる。夕方に南極上陸証明書をもらった。これは南極に行った観光船が発行してくれるもので名前・船名・上陸地・緯度経度・日付が入っている。上陸地はネコ湾で南緯64度50分。南極圏は1年のうちに太陽が全く昇らない、または沈まない日があるという定義で南緯66度33分よりも南のため今回は南極圏には入っていないことになる。
 
今日の食事の時間は、朝食8時、昼食12時30分、夕食19時。それ以外はベッドに横になってうとうとしていた。帰国したら2月のマラソンの準備に入らないといけないのにこんな生活していたら体力落ちてしまう。しかし南極で目標達成したしだんだんどうでもよくなってきた。2月の別府大分マラソンは行かないことにして東京マラソンだけにしよう。明け方まで上の階のラウンジではパーティのような大騒ぎがおこなわれていた。

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■12/2(日)ホーン岬
 
ひたすら暇な1日。だいぶ南アメリカ大陸が近くなってきた。南米最南端のホーン岬を見ることができるかなと思っていたら午後になり船はホーン岬に到着。デッキに出るとホーン岬が見えるほかイルカが船と並走している。オリビエと少しをした。オリビエはやっぱり私よりも少し上の力を持っていてフルマラソンのベストは2時間46分。ただ膝に古傷がありアップダウンのあるコースだと痛みが出てしまい南極の不安定な足場では本来の力を出せなかったようだ。一番の目標・好きなレースはサハラ・レースで平らなコースが得意らしい。南極は船の移動が辛いねという話から「レースなしで観光として南極に行こうとは思わなかったかな」と。これまでの砂漠レースでも観光だけで果たしてそこまで行っただろうかという僻地へ赴いている。このレースのおかげで普通の人がなかなか経験できない世界を見て来れたのだ。
 
夕食のときにはすでに船はビーグル水道の入口にいた。しかしそれ以上先へ進まず停泊している。ここから先は海が浅く座礁しないように水先案内人が船を先導していくのだとか。だけどウシュアイアから南極に向かうときは船の前に案内がいたりはしなかったよな。さっさと進めば今日中にウシュアイアに帰れそうなのに。早く陸に上がりたい。
 
夜は表彰式。集まった選手たちの一部はエマージェンシーシートでドレスアップしている。金色と銀色できらきらしたエマージェンシーシートをドレスのように着ている。いよいよ入賞の楯をもらえるのかな?と期待は最高潮。もしかしたらコメントを求められるかもと不安も少々。まあなるようになるさ。男女の優勝者ビンセントとアンナ・マリーが表彰された次に突然名前を呼ばれた。優勝の次は2位ではなく3位を先に表彰するのか!?片手にカメラを持ったままなので誰かに撮ってもらおうと渡す相手を探すが日本人選手は後ろの方にいて見つからない。すると韓国のユニくんと目が合ったのでとっさにお願いとカメラを渡す。(ユニくんが写真撮ってくれました)
 
期待通り今までの砂漠レースで「あれほしいなー」と眺めていたガラスのオブジェがついに目の前に!南極の氷をイメージして少し青く光っている。そしてやっぱりコメントを求められマイクを渡される。そうなったら単語並べるだけでも自分でコメントしようと少しは思っていたが頭の中真っ白で脚も震える(笑)村上さんから「がんばれ!」と激が飛ぶ。しかし近藤さんが目に入ったので「通訳お願いします」と頼んでから「今まで一緒に走ってくれた選手の皆さんと素晴らしい経験の場を作ってくれた主催者に感謝します」とコメント(これくらいの内容なら自分の英語で言えるじゃん!と頭の片隅で思った)。
 
ガラスのオブジェを手に日本人選手みんなのところへ。めちゃくちゃ嬉しい!最後の砂漠レースで形に残る物を(完走メダルの他に)持ち帰りたいと目標にしていたものを手に入れることができて本当によかった。美絵さんが「日本人が表彰されるなんて誇らしいねー」と言う。自分も嬉しいけれど周りの人に喜んでもらえるのがさらに嬉しいこと。オブジェには名前を書く(彫る)場所があるのだが誰が手にするかわからないため名前は入っていない。帰国したらガラスを加工してくれるようなところに出して名前を入れよう。名前が空欄になっているのを見つけたひろっちが「マジックで名前書いちゃおうか」と言っている(その後もそういう人が後を絶たない)。
 
表彰は4Deserts制覇達成者への4Desertsメダル授与へ。RacingThePlanetの主催レース「エジプト・アタカマ・ゴビ」のうち2つ以上を完走しないと出場できない南極レースだけに対象者がすごく多い。あと1年間で4つの砂漠を全てという人もたくさんいて驚いた。そんなにお金と時間を作れるってどういう人なんだろう。日本人参加者の中からは、宍戸さん、村上さん、美絵さんの3人が達成。自分は2009年にリタイアしてしまったエジプトを完走すれば4Deserts制覇だけどいつかやるのだろうか。
 
南極レース最後の幸せな夜。いよいよ明日の朝はウシュアイアに帰還だ。
 
 
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自己紹介:
なぜか砂漠にひかれサハラ・アタカマ・ゴビ・南極でおこなわれたレースに出場。これからも世界の絶景を見に行きたい。
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