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今日は予定では午前と午後で上陸場所を変えて数時間ずつ走ることになっている。6時過ぎから朝食にしてレースの準備をする。膝に多少痛みが出ているが他の選手も同じような状態だろう。風もなく落ち着いた天気で予定通りレースができそうな気がする。ブリーフィングの時間8時30分にラウンジに集合したがなかなか始まらない。船の周りにシャチの群れが現れた。集合した選手たちも喜んでアウトデッキに出てシャチの写真を撮ったりしている。レースがおこなわれる雰囲気はなくすっかりシャチの鑑賞会になってしまった。船はシャチを観察しやすいように向きを変えたりエンジンを止めたりする。船にはレースに参加している選手の他に普通の観光客もいるのでレースをこなすことよりもこういうイベントが優先になるようだ。選手にとってもここでしか見ることのできないものはレースよりも優先されていいと思う。
 
けっきょく10時過ぎまでシャチを見てからクーバ―ビル島へ向かう。もともとはここで午前中のレースがおこなわれるはずだったが滞在時間が短くなったため、レースはおこなわずに少し上陸してペンギンのコロニーを見るということになった。一昨日ミケルセン湾でさんざんペンギンを見たので見飽きた感もあり。上陸時間はわずかな時間で帰りのゾディアックで周辺の氷山を見て回る。ブルーアイスと言われる氷山の色は見事の一言。不思議な色をしている。ゾディアックに同乗している人が南極の氷河の壁をバックにゾディアックの縁で腕立て伏せ。みんな「南極で○○した」というネタを作りたくて一生懸命だ(笑)船のラウンジでも競い合って腕立てや腹筋するのがはやっているし外国人の楽しいツボってよくわからない。
 
船に戻ってから今度こそレースの準備。船は次の目的地ネコ湾に向かう。ひろっちから「順位4位になっていましたよ」と言われ順位の確認に行く。まずは5位集団から抜け出すことと考えていたが一気に4位も抜かして単独4位になっていた。走っている間はあまり上位の選手の姿に気がつかなかったのだが、1位のビンセント以外の全ての選手に周回差を付けていて、4位だった選手には3周差をつけて1日目の遅れをひっくり返していた。ビンセントが同じ周回、マイケルが1周差で踏みとどまっただけで(脚引き摺っているように見えたけど大丈夫だったのか)それ以外の上位メンバーには2周以上の差を付けた。これは予想以上の結果というかかなり満足。オリビエとは3周差ついたけどやっぱり調子悪いのかな。昨日はレースに集中できていたようで振り返っても1日がすごく短かったように感じる。こういうのを「ゾーンに入った」と言うのだろうか。
 
ネコ湾には15時過ぎに上陸。今夜は船に泊まるのではなくレース後に船でディナーをしてから再上陸してテント泊するとのことでレースの終了は少し早めの18時に設定されている。そのため16時スタート、18時フィニッシュというショートレースになった。スタート地点に誘導されると、まだコース設定の真っ最中。ネコ湾を見下ろす山の中腹からスタートして真っ直ぐ急斜面を登り、折り返して真っ直ぐ下ってくる登りと下りのみのループを回る。距離は1.25kmという小さなものだが競技時間2時間では先頭集団内での周回差はつかないだろう。

美絵さんが昨日私がダウンしたときに上着を貸してくれた選手がいるからお礼言いにいったほうがいいよとどの人か教えてくれた。何しろ自分は船に戻るときに何を着ていたか、誰といたかも覚えていないので・・・。自分のウェアかひろっちのウェアを着ていると思っていたけど他にも貸してくれた人がいたんですね。すぐにその選手のところに行って「昨日レース後に私が倒れたときに上着を貸してくれてありがとう」とお礼を言う(倒れてってよくわからなかったので倒れる身振りでw)。その選手(年配の男性)は「気にするな。いい走りだったね」と握手した。
 
スタート直後から先頭集団は無視。膝が痛いので登りも下りも小さな歩幅で軽く足を進める。ひろっちと2人になり下りで離され登りで追いつくを繰り返す。登りでは先頭集団との距離を確認。1周差までなら付けられてもよいが、それ以上は嫌なので後ろに迫ってきたら逃げるつもりだ。5位とも3kmちょっとの差なので1周差付けられても単独4位は守ったまま最終日の決戦ということになる。17時22分の周回で「残り1周かな」と言われるが終了は18時なのでまだまだいけるはず。選手の立場からすれば競技に影響を与えかねない不用意な発言はやめてほしい。あと何周できるか見積もるために少し力を入れて1周のラップを取る。登り8分、下り3分で1周し「あと3周行けますね」と確認を取る。せっかくペースを上げたので残り30分はそのままのペースで行ってしまうことにする。
 
風もなく暖かいため(気温5℃という話)汗を多くかきサングラスを外す。登り切ったところで武石さんと韓国選手達が座って飲み物を飲んでくつろいでいる。韓国のユニくんが「オレンジジュース!」と飲み物を差し出してくれたので飲む。おいしい!「もう一周!」と声援を受けて下り斜面へ。ユニくんは韓国の学生で人なつっこい笑顔でレース中にすれ違うといつも応援してくれる。実は韓国ではなかなかの有名人らしい。(何で有名だったんだっけ?)
 
18時が迫り次に行かせてもらえるか止められるか微妙なタイミング。駆け下りながらベースキャンプを見ると先頭集団が登り始めたところ。差はだいぶ詰まっているので行かせてもらえそう。「最後の1周」と声をかけられ最終ラップへ。ペースを落として写真を撮りながら斜面を登って振り返ると後ろには数人しか登ってきていない。制限時間前でも次の周回に入った場合に制限時間を大きく超えてしまいそうな場合はストップされてしまうため私がぎりぎりの通過だったようだ。この力加減は難しい。運なのか、あとはスタッフの印象度も影響していると思う(強い選手であるか)。
 
最後の下りでは日本&韓国のメンバーがビニールシートを敷いて斜面を滑り遊んでいた。最後の周回は結果に影響しないため一緒に遊んでしまう。スタッフの立場からしたら早く戻ってこいというところだが。ひろっちが斜面をダッシュしてダイブする写真を撮りたいというので写真撮影。ひろっちは全力でダイブしたが鼻から出血していた。自分はぎりぎりで次の周回に入れてもらったこともあって真面目を装って先にフィニッシュへ。

フィニッシュラインで遊び組みを出迎える。今日は先頭集団には一切姿を見せずに成績だけは先頭集団と同じという理想的な展開だった。上位メンバーが「あいつどこに消えた?」とか思っていてくれるとおもしろい。後は明日の最終ステージに予定されている8時間で決戦だ!帰りのゾディアックに乗り込むとき何人かの選手が服を脱いで海に飛び込んで全力で岸に駆け戻ってくるという変な遊びをしていた(笑)
 
ディナーはバーベキュー。船後部のアウトデッキにテーブルと椅子が用意され食べ物を受け取る。調理は船の中でして外では保温程度のようだった。外で食べている人もいたが会場はいつものレストランに直結しているため食べ物だけ外で受け取って中で食べている人も多数。目の前にネコ湾の氷河の壁がそびえていて壮観だがさすがに寒いし食べ物がすぐに冷たくなってしまうため中で食べることを選択。レストランにもパーティっぽい演出をしたかったのか、ところどころに風船がふわふわと浮いている。それにしても中で調理して外に運ばれたものを受け取って中で食べているってなんだか微妙。まあこれも「南極で○○しました」というネタ作りなんだろうな。キャンプもそうだし。
 
20121128_4.jpgディナーの後キャンプのため再上陸。寝に行くだけなので防寒着さえ余裕があれば他に準備するものはない。宍戸さんは宴会をしたかったらしくワイン持参。ほとんどの人はめんどくさそうだった。上陸してから少し雪が降り始めたら「船に帰れる?」と喜びだす始末。しかし無情にもキャンプはそのまま実施された。説明があり貸し出されるテントで寝てもいいし、シュラフカバー(防水処理)があればテントに入らず雪の上で寝てもいいという。少しでも快適に寝て明日に備えたいのでテント泊を選択。4人1組でテントを割り振られる。自分とひろっちとあとどこの国の人かわからない2人組。
 
テントは袋に入った状態で渡され自分たちで組み立てる。自分は多少のテント泊経験はあるものの持っているのはシンプルにドーム型ツェルトなので、しっかりしたテントはほとんど扱ったことがない。もう1組の2人組もテントに詳しいわけでもなく、その上自分やひろっちと同様に英語も不得意な感じ。お互いに無言でジェスチャーのみで「あーでもない、こーでもない」してテントを建てていく。テントができあがったら荷物を放り込んでシュラフを広げ寝る・・・って「自己紹介もせずに寝ちゃうの?」とひろっちに言ったが、あちらの2人も面倒くさそうなので寝る(笑)
 
 
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なぜか砂漠にひかれサハラ・アタカマ・ゴビ・南極でおこなわれたレースに出場。これからも世界の絶景を見に行きたい。
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