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■鴨沢~雲取山
最後尾からスタート。みんないいペースで登っていく。一番後ろでも自分の予定通りのペースなので雲取山まではそのまま進む。途中で立ち止まって何かしているチームは抜かした。予定よりも30分短縮して雲取山山頂到着。やはりみんな速い。

■雲取山~将監峠
この区間は巻き道で平らなトレイルが多いので、走りを交えて前の選手・チームを抜かしていく。実はここ数年縦走登山をしてなく練習もロードや走りやすいトレイルばかりなので激しいアップダウンをこなす力はない。その代わり山好きアスリートに比べて平地走力はたぶん強い。そのため今回の分水嶺は上り下りはゆっくりで走れるところで時間を稼ぐ考え。

■将監峠~雁峠
将監小屋の前で食事にしようとガスストーブでお湯を沸かそうとしたが火がつかない。ガスは出ているし、火花も飛んでいるのに。標高が高い影響があるのかもしれないが今まではガスストーブで3000m程度の山でテント泊しているので納得いかない。あきらめてお湯なしで可能な補給をして出発。雁峠手前の「小さな分水嶺」になんとか明るいうちに着いた。小さな分水嶺は多摩川・荒川・富士川の源流が集まった場所で視界も開けていていい雰囲気。暗くなっていく景色を見ながらヘッドライトを用意して小休憩。

■雁峠~雁坂峠
平らなトレイルは雁峠で終了しがっつり山岳モードになる。2年前のリタイアのときはここですでに体調が落ちていたが今回は調子がいい。チームではなくソロなので全て自分のタイミングで動けるため、それがよい方向に出ているかもしれない。時々雨が落ちてきてウェアは濡れている。風も吹いているが動いている分には半袖シャツ1枚で問題なし。ただし立ち止まるとすぐに冷える。

■雁坂峠~破風山避難小屋
ほとんどの選手は深夜に破風山避難小屋に到着し睡眠を取ることになる。しかし今回の自分のテーマはどこまで寝ずに停止せずに行けるか、というわけで大弛峠まで一気に行きたかったのだが、破風山の区間が記憶よりもだいぶハードで体力を削られ時間も予定よりも遅れ気味になってくる。そこで破風山避難小屋に入り床に転がってすぐに眠れるくらいなら少し寝ていこうと思った。エマージェンシービビィに包まり硬い床に転がったがすぐに眠れた。2時間ほどで目が覚めた。エマージェンシービビィは暖かくて内側が汗で濡れた。

■破風山避難小屋~甲武信ヶ岳
巻き道で甲武信小屋に行きそこから甲武信ヶ岳に登るのが正解ルートだが、以前は巻き道で行ったと思いつつ巻き道でないほうに甲武信ヶ岳と書いてあったので、小屋に寄らずに甲武信ヶ岳に行くと考え巻き道ではないほうに進む。木賊山という山に登って降りて甲武信小屋に到着。無駄な必要のない山に登ってしまった。甲武信ヶ岳から義務連絡の電話をするが電波が弱く会話はできず。

■甲武信ヶ岳~大弛峠
朝になり明るくなった登山道を進む。本来は夜通し動いてこの区間を朝になる前に終えるのが理想だった。しかし登って下ってを何度も繰り返しても大弛峠直前の国師ヶ岳ははるか彼方。眠気と空腹に追い詰められてくる。標高が下がったところでガスストーブを使ってみるが火はつかず。暖かい食べ物で元気を出す作戦は完全にだめになってしまった。ひどい時には数歩ごとストックに寄りかかって動けなくなったり、木が「国師ヶ岳山頂」の看板に見えたり、倒木がベンチやあずまやに見えたりと意識飛びまくっていたが、向かいから来たトレイルランナーに「樺澤さんですか?」と話しかけられ、会話をして一緒に写真を撮ったら意識がはっきりして動けるようになった。参加者の多くがこの区間で睡眠不足やエネルギー切れに悩まされたようだった。

■大弛峠~富士見平小屋
足も痛いし体調もよくないので大弛峠でリタイアしたかったが、国師ヶ岳前後でトレランしている柳下さんに出会ったり、田村さんに出会ったりして、大弛峠に着いたら山田さんまでいるしリタイアするような状況ではなくなったため、大弛小屋でうどんとコーラで補給して仕方なく出発。この区間は、一ノ瀬さん(個人)、飯村さん(チーム)、かーさん(チーム)と一緒の行動でにぎやかだった。金峰山からの下りで足が痛くて着いていけず一人旅になる。

■富士見平小屋~野辺山(しし岩)
ここで休んで夜中に出発すると考えるチームが多いようだったが、休んでしまうと進む気力がなくなりそうなのと瑞牆山から降りた後で昼間になると暑さにやられそうなので、夜の間にゴールまたはゴール近くまで行きたいのですぐに出発することにする。大弛小屋に続き山小屋でうどんとコーラを補給して出発。瑞牆山を登りきった下山ルートの分岐で18時30分。登りきったところから本当の山頂はさらに5~10分あり、3年前に出場したときも日没直前のため本当の山頂を踏むことは断念したので、今回はぜひ山頂を踏みたかったがまたも日没直前。下山ルートが不明瞭なのでできれば暗くなる前に下山したい。

ちょうど後ろからかーさん(チーム)が来て山頂には寄らず急いで下山するということだったので山頂はあきらめて後ろをついていく。かなりハイペースで急斜面を下り真っ暗になる前に下山することができた。続く松平林道もかーさん(チーム)と一緒に歩く。信州峠から先は少し地図読みも必要なのでけっきょくかーさん(チーム)とずっと行動を共にして楽をしてしまった。

地図読み区間は3年前と違ってしっかり踏み後が付いていて違う踏み後を追ってしまうというリスクはあるものの拍子抜けするくらいさくさくと進んだ。午前3時にフィニッシュ。気持ち的にリタイア寸前だった時間もあったけど終わってみれば2時間睡眠で40時間動くことができ次回ユーコンに向けての練習としてよいものになったと思う。
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なぜか砂漠にひかれサハラ・アタカマ・ゴビ・南極でおこなわれたレースに出場。これからも世界の絶景を見に行きたい。
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