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今日は気合の入るフィッツロイトレッキング。昨日聞いた天気情報ではフィッツロイ日和ということだし楽しみ。8時にオープンするホテルの近くの店でエンパナーダを昼食に買って即出発と考えていたが、少し準備が遅れてトレッキングコースに入るのは9時ごろになってしまった。フィッツロイを見るには少しでも長く現地に滞在して粘ることも必要と思っているので気持ちが焦ってしまう。
 
今日のコースは購入した地図によると目的地のログ・トレス湖までは片道12.4km、コースタイムは4時間15分。町からの標高差は740mほど。フィッツロイは標高3405mだが、目的地のログ・トレス湖は標高1170mである。帰りは3時間くらいだろう。日没の21時ごろまでに町に戻ればよいと考えると現地に滞在可能な時間は4時間ほどか。フィッツロイが姿を現すのを待つという状況になってもよいように食べ物と飲み物は十分に用意してある。
 
今日の天気予報は晴れなのに、ときどき小雨が降るし、フィッツロイの方向は雲の中だし、本当に見えるのかなと思いながら歩く。それでも途中にいくつかある展望台に到着するたびに少しずつフィッツロイのシルエットが見えるようになってきた。今日のコースは地図上では一見前半は平坦なのだが、等高線間隔が50mでずっと緩い登りだった。しかし帰りは足の負担なくペースアップして帰って来れそう。コースはとても歩きやすく整備されています。案内看板も多く道に悩むこともありませんでした。
 
歩いていると他のトレッカーにも時々出会います。しかしこれほど絶景トレイルなのに日本に比べると歩いている人がとても少ない。一応土曜日で休日ですが近くに大都市があるわけでもなく、アルゼンチン人にとっても簡単には来れない場所なのかもしれません。すれ違うときには挨拶を交わすことが多いです。スペイン語の人は「オラ!」英語の人は「ハロー!」または「ハイ!」ですね。といっても人を見ただけでは、スペイン語の人か英語の人かわからないし、この場所自体がスペイン語なので英語の人も現地に合わせて「オラ!」と挨拶したりしているのでよくわかりません。たまになぜかこちらを日本人と認識して「こんにちは!」とか「バンザイ!」とか言ってくる人もいます(笑)だいたい海外では中国人が多数派なので、特にエジプトのレースに行ったときは「ニーハオ!」と話しかけられていましたが。途中で1人だけ日本人に会いました。
 
ログ・トレス湖への急な登りの手前にあるキャンプ場(C.B.Poincenot)を過ぎたところで外人さん(という表現が適切かわからないが)のグループが地図を持って悩んでいた。踏み後の分岐がありログ・トレス湖の方向がわからなくなっているようだ。「ログ・トレスに行きますか?」と話しかけられ一緒に地図を見ると等高線の情報が入っていない地図を持っていて道の曲がりの書かれ方が少し変かな?それでトレッキングコースの進む方向と違う方向に伸びる踏み後(コースには見えない)に惑わされている。等高線の入っている地図とコンパスを見せて進むべき道を「こっち」と教える。お役に立ててよかった。
 
ログ・トレス湖に向かって登り始めたところで休憩所のような屋根が設置されていて道が分岐している。左の道はトイレのマークが書かれていたので右へ行くと「クライマーオンリー」との看板。後ろから人ついて来てしまっていたけど「我々はクライマーじゃないよな」と分岐まで戻る(他の人たちも一緒に戻った)。トイレの矢印の方向の道が踏み後レベルではなく整備されているようなので、きっとこれはトレイルの脇にトイレがあるということで、こちらがメインの道だと判断する。
 
キャンプ地の周辺にはトイレが設置されていて外見は日本でも使われている仮設トイレなのだが中には深い穴が掘られているだけなので、ある程度埋まったら土に埋められるようだ。やっぱりパタゴニアの中でもメジャーな場所とはいえ、そんなに気楽に来れる場所ではないのだろう。大勢の人が来る場所ではこのようなトイレの処理方法では成り立たないと思う。
 
ログ・トレス湖への急な登りは割と平坦なトレイルに慣れた体にはきつく感じる。しかし標高差も大したことないし日本の山で言ったらちょっとした丘のレベル。高度を上げると風がだんだん強くなってきた。フィッツロイに近づいたためフィッツロイ自体は見えなくなり急斜面の地面を見ながらゆっくり登る。
 
急な登りを登り切ると目に飛び込んでくるフィッツロイ。見事に晴れている!そして風がとんでもなく強い。ログ・トレス湖はもう一段登ったところにあり、まだ湖自体は見えない。強風に煽られながらじりじりと前進する。風が強くなると普通に立っていられないため身近な岩にしがみついて姿勢を低くし風が弱まるのを待つ。風の強さにはリズムがあり定期的に弱まるため、その隙を狙って次に休めそうな岩があるところまで進む。れなっちが「もう降りる!」と泣き言を言うが目の前に絶景スポットがあるのに降ろしてしまっては後悔が残るだろう。注意すれば危険とまでは感じないため、れなっちの荷物を自分が持ち自分が動くときにすぐ後ろについてくるように指示して無理やり連れて行く(笑)
 
登りきってログ・トレス湖の近くへ行くと少し風が弱くなった。最後の一段の登り区間が最も強風なようだ。ログ・トレス湖は少し地形がへこんだ中にあるため多少は風を避けれるのだろう。ログ・トレス湖は湖というよりも池に近い印象。フィッツロイから滑り落ちた氷河(雪?)が解けて水がたまった感じ。まだ夏の始まりだからか湖の表面は一部が氷、一度が流氷のようなもので覆われている。到着時間は13時50分。
 
フィッツロイの写真を撮ったり、自分も入って写真を撮ったりする。歩けるレベルではあるが強風であることには変わりない。あまりのんびりと滞在することはできなさそうだ。セルフタイマーでの写真撮影もしてみたが何度か風に煽られて三脚が倒れてしまった。このログ・トレス湖からフィッツロイを見るとまるで目の前にそびえているように見えるのだが、実はフィッツロイとの標高差はまだ2235mもあり距離も5kmほどは離れている。垂直に切り立った独特の形が目の前にある錯覚をおこしているのだろう。そういえば昨日の夜、チャルテンから見えたフィッツロイは町の裏山のような感じで見えたのだが、実は距離は15km以上、標高差は3000mもある。日本で言えば河口湖から富士山を見ているようなものである。
 
15時10分下山開始。意外と長く滞在していた。逃げるように下山する。強風領域を通り過ぎてからほっと一息つく。時々背後からバリバリと雷のような音がするがこれは風の音だ。振り返ると巻き上げられた砂や雪で風が目で見えるという恐ろしさである。この時間になってもまだ登っていく人はいる。彼らは今日中にチャルテンに帰るのか(日没が21時なので可能ではある)。それともキャンプだろうか。
 
キャンプ場まで戻ってフィッツロイを振り返ると黒っぽい雲がかかって恐ろしい雰囲気になっていた。自分達が滞在していた時間帯だけバックに青空が見えていてよいタイミングだたようだ。キャンプ場は行きに通ったときは数張りのテントしかなかったが、テントも増えて賑やかになってきていた。
 
帰りは一部登りもあるものの快適に飛ばす(歩きで)。時々フィッツロイを振り返ると時間の経過と共に雲の中に姿を隠していった。頭上には雨を降らすような雲はかかっていないのだが、時々雨が降ってくる。この雨はフィッツロイから風で飛ばされてくるのだろうか。日が差しているのに雨が降っているという状況がよくある。そのおかげか町が近くなってきたころきれいな虹が見えた。18時40分下山完了。フィッツロイに会うという目的を果たせ満足度100%だった。
 
夕食は昨日と同じレストランで食事。昨日のスパゲティとピザがとてもおいしかったため調子に乗ってチキンを注文したら、やっぱり大きな塊の肉は重かった。アルゼンチンの食事と言えば肉!というくらいらしいのだが、どうも肉は量も味もいまいちなじめない。チャルテンでの大きな目標を達成してしまったため、明日はホテルでごろごろしていてもいいくらいの気分だが、朝はのんびり準備して今日とは別のメジャーなトレッキングコースらしいトーレ湖へ行こうと思う。
 
明け方、窓の外に南十字星が見えた。
 
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なぜか砂漠にひかれサハラ・アタカマ・ゴビ・南極でおこなわれたレースに出場。これからも世界の絶景を見に行きたい。
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